【活性化へ期待】「駿河湾フェリー」乗り場がJR清水駅前に移設…清水港周辺施設もリニューアルで変化進むか
「駿河湾フェリー」の乗り場が、JR清水駅の前に新たに移りました。清水港周辺の施設もリニューアルし駅周辺の活性化が期待されます。
静岡市の清水港と伊豆市の土肥港を結び、金色の船体で雄大な駿河湾を横断する「駿河湾フェリー」。これまでは、清水駅から2キロほど離れた日の出地区にフェリー乗り場がありましたが、4月18日からJR清水駅前の江尻地区に乗り場が移りました。
総工費36億円でつくられた新たな”フェリーターミナル”。「駿河湾フェリー」は車や人が乗り降りするための設備「台船」が損傷したため、1月から運休していましたが、新たな拠点で18日から運航を再開しました。18日午前、新ターミナルで運航再開を祝った記念式典が開かれました。
(ふじさん駿河湾フェリー 山本東 理事長)
「きょうから新しいステージへと歩みを進める、そんな気持ちです」
経営不振を理由に運営会社が撤退し、2019年から県と駿河湾沿岸6市町が立ち上げた一般社団法人が運営している「駿河湾フェリー」ですが、新体制以降も順風満帆な運営ではありません。2019年度の輸送人員は約13万人を記録したものの、コロナ禍により翌年から利用者が激減。2022年度には10万人台に持ち直したものの、23年度、24年度は緩やかな右肩下がりとなっています利用者数の増加が目下の課題となっているなか、駅前に新たなターミナルができたことで”風向きの変化”に期待がかかっています。これまでの乗り場はJR清水駅から徒歩20分ほどかかる場所にありましたが、新たな乗り場までは駅から徒歩3分で行くことができます。
(伊藤 薫平 キャスター)
「JR清水駅から新ターミナルまでは、ペデストリアンデッキと呼ばれる通路でつながっています。雨の日でもストレスなく行けます」
駅からターミナルまで、ペデストリアンデッキにより直接つながっているため、フェリーの利用が格段にスムーズになりました。
運航再開初日となった18日は、運賃が無料となり、いずれの便も満員に。
(フェリー利用客者)
「土肥に行って、おいしい食べ物を食べようかなと思ってます」
(フェリー利用客者)
「清水駅からは5分ぐらい。全然らくちん」
(フェリー利用客者)
「ここは初めてなので、いろいろな市場があって便利で、駅からも近い
し、いいなと思いました」
フェリーの利便性が向上しただけでなく、清水港周辺の”観光面”でも期待できる変化が…。
(伊藤 薫平 キャスター)
「フェリー乗り場のすぐそばにできた市場館です。あすのオープンに向けて、マグロのカマを準備しています」
フェリーの運行再開に合わせ、清水港に面した人気の観光施設「清水河岸の市」の「いちば館」がリニューアル。
「河岸の市」では、マグロやアジの干物など魚介類の買い物や、新鮮な魚料理を楽しむことができ、あす19日からオープンします。
18日、館内をのぞいてみると、、お店の人たちが開店準備に追われていましたが、集客に大きな期待を寄せていました。
(ヤマクニ水産 社長)
「感無量です」「一生懸命商売したいと思います」
(ヤマクニ水産 店長)
「干物を食べ慣れない人もいると思うので、これを機に若い世代にも広めたい」
(お食事処おがわ スタッフ)
「すごいですね(フェリーの)迫力が」「そこも売りだと思うので」「目の前にフェリーがどん止まる」
(お食事処おがわ スタッフ)
「外国人客も来ていただくので期待しつつ、フェリーも止まるので、そちらからも来てくれるかなと期待しています」
清水港に変化が生まれたことで、周辺地域への相乗効果も期待されますが、駅前の商店街で話を聞いてみると…。
(商店街で働く人)
「(新ターミナルは)いいこと。今まで港にあったのが、こちらに来た。河岸の市にあった方がいい」「こちらを中心に観光客が集まれば、商店街としてはいい」
(商店街で働く人)
「向こうばかりに行っちゃわないで、こっちにも寄って(ほしい)」「県外の方が来てくれるような場所ができているので、盛り上がってくれたらいいなと」
フェリー乗り場が移り、利便性が向上したことで、駿河湾フェリーの利用者増加、また、駅周辺へのプラスの効果につながるのか。今後に注目です。