新発田市に新たな観光スポット誕生 “発酵エンターテインメント”を体現 日本酒の酒蔵が手掛ける 背景にある現状が 《新潟》
新発田市にカフェやショップを備えた新たな観光スポットが誕生します。施設のテーマは「発酵エンターテインメント」。手掛けたのは日本酒の酒蔵です。背景には日本酒をめぐる現状がありました。
そそがれる搾りたての日本酒。酒粕を使ったスイーツ。「発酵」文化を五感で味わえる空間が広がります。
新発田市にある菊水酒造。4月29日に新たな施設「KIKUSUI蔵GARDEN」がオープンします。
こちらは「心にも体にも優しい」をテーマにしたカフェ。和の風情が広がる庭園を臨みながらゆったりとしたひとときを過ごせます。
カフェでは塩麹や甘酒などを使ったランチやスイーツを提供。すべてのメニューに発酵食品が使われています。
(リポート)
「ベーグルいただきます!このベーグルの生地がふわふわ、もちもちです。さらにしっとり感もありますね。この生地に酒粕が使われているということなので、ほんのり酒粕の甘さも感じますね」
日本家屋の梁や柱が目を引くこちらはショップです。サーバーから注がれているのは日本酒。生原酒をその場で瓶詰めし、フレッシュな味わいを提供します。さらに、酒粕を使ったマドレーヌやオリジナルの酒器などここでしか買うことができない商品がずらり。併設されたラボではワークショップや酒造りなど、「発酵」に触れる体験ができます。
約150年の歴史がある酒蔵が新たな施設をオープンさせる理由。それは日本酒を取り巻く厳しい現状があります。日本酒の国内出荷量は年々減少。一時は年間の出荷量が170万キロリットルを超えていましたがおととしは約39万キロリットル。ピーク時の4割程度まで減少している状況です。
酒づくりと密接に関わる発酵を入り口に日本酒に親しむ機会を提供したい。施設のテーマである「発酵エンターテインメント」にはそんな思いが込められています。
〈菊水酒造 髙澤大介社長〉
「発酵っていうものの力を使って実は世の中色々なものができている。清酒もいうまでもなく発酵の 力でできているものですから、発酵にスポットをあててお客様にその面白さや深さをお伝えしていきたいという思い」
私たちの生活のそばにある「発酵」。その文化や魅力を発信するこちらの施設は4月29日にグランドオープンします。