【特集】父と娘つなぐ“桜の写真” 喜びと覚悟 拉致被害者・横田めぐみさんの亡き父・滋さんの思い《新潟》

入学式を迎えた子どもの記念写真。春の微笑ましい光景が48年前、満開の桜の木の前に広がっていました。
拉致被害者の横田めぐみさんと父の滋さんです。
めぐみさんを写した“桜の写真”は公開捜査に使われ拉致問題の象徴ともいえる1枚になりました。その写真に込められた滋さんの思いとは……。
春を迎え、淡いピンク色の花を咲かせる桜の木。その下では親子の笑顔が広がります。
新潟市中央区にある寄居中学校。春の陽気に包まれたこの日、入学式が開かれました。親子で撮るこの日だけの特別な写真。
48年前の1977年4月10日。この寄居中学校で撮影された1枚の写真があります。
横田めぐみさん。寄居中学校の1年生でした。
写真を撮ったのは父の横田滋さんです。制服に袖を通し少し大人びた娘をカメラで記録しました。
その微笑ましい親子の光景を目にした人がいました。
【清水雅生さん】
「これが私がみた撮影風景ですね、この写真」
清水雅生さん。めぐみさんの同級生です。6年生のころに転校してきためぐみさん。明るく活発で、よく笑う女の子ですぐにクラスメイトと打ち解けました。
【清水雅生さん】
「横田が双子の弟さんをよく面倒をみて、お父さんも微笑むように目を細めて笑顔でみつめていた。いい家庭だなといつも思っていました」
小学校を卒業し寄居中学校へ進んだ1977年の4月。部活を終えた日曜日、制服姿のめぐみさんと滋さんの姿が学校にありました。
【清水雅生さん】
「桜の(前で)。滋お父さん、写真撮影が趣味でいいアングルを探して前庭の方まで中まで入ってきていました」
「なんども横田の方を振り返りながら撮影風景をみながら帰ったのを覚えている」
風疹にかかり入学式を欠席しためぐみさん。晴れ姿を記録しようと滋さんは娘を連れだし桜の木の前で写真を撮りました。
場所やポーズを変えてはシャッターを切った滋さん。
【清水雅生さん】
「後ろ姿をみてもカメラを娘に向けて身振り手振り本当にうれしそうだなという感じが伝わってきました」