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4月から急性呼吸器感染症が5類に 県が動向調査を発表へ 流行の呼吸器感染症を把握する目的《新潟》 

2025年4月15日 17:04
4月から急性呼吸器感染症が5類に 県が動向調査を発表へ 流行の呼吸器感染症を把握する目的《新潟》 

いわゆる風邪症状などの総称で急性呼吸器感染症(ARI)が、4月7日から感染症法上の5類に位置付けられたことに伴い、新潟県は15日、流行中の呼吸器感染症を把握するため、ARIの症例となるせきや咽頭痛などの症状がある患者などについて、動向調査を行うと発表しました。

県が実施する感染症サーベイランス(感染症発生動向調査)とは、感染症の発生状況を正確に把握し、分析することで、県民や医療機関に迅速に情報を提供し、感染症の発生とまん延を防止することを目的に1981年から全国で行われている調査事業です。

県はこれまで5類のインフルエンザや新型コロナウイルスなどのサーベイランスを行っていましたが、4月7日から急性呼吸器感染症(ARI)が5類に位置付けられ、定点報告の対象となったことに伴い、特定の症状(呼吸器症状等)に着目した「症候群サーベイランス(ARIサーベイランス)」も合わせて行うと発表しました。

ARIは、飛まつ感染などで拡大しやすい特徴があり国内のARIの発生傾向や水準を踏まえて、流行中の呼吸器感染症を把握することが目的です。

報告の対象となるのは、ARIの症例となるせき、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれかの1つ以上の症状があり、発症から10日以内の急性的なもの、かつ、医師が感染症を疑うものです。

定点報告を行う県内55か所の医療機関が保健所を通じて県に報告します。

これまでは、法令で規定された病原体が確定されるなどしたものを把握していましたが、新型コロナウイルスの発生当初のように、未知の病原体の場合は、病原体の確定と診断方法が整備されるまではその探知が困難だったということです。そうした事象に対応するため、ARIサーベイランスが導入され、未知の病原体などに向けた早期の初動のきっかけにすることが狙いです。

県の担当者は「国内でいきなり未知の感染症が起きることは考えにくいが、その早期探知のために症候群サーベイランスが導入された」と話しています。

県は医療機関から上がった患者の報告数については、原則、毎週木曜日に公表する予定です。

最終更新日:2025年4月15日 17:04