「自由に楽しめる場所」 大分県立美術館 開館10年 周年企画展ではモネやセザンヌにピカソが
芸術や文化の発信拠点の役割を担う県立美術館。4月24日で開館から10年を迎えました。これまでの歩みを振り返ります。
2015年4月24日に開館した県立美術館「OPAM(オーパム)」。
県が総工費およそ80億円をかけて建設したもので、世界的建築家の坂茂さんが設計を手がけました。
開館初年度の目玉の1つが「進撃の巨人展」でした。こうした斬新な企画やイベントにより、開館1年でおよそ64万人の来場を記録。目標としていた50万人を大きく上回り、好調なスタートを切りました。
県立美術館の企画展の中で歴代最多の来場は2017年に開催された「ジブリの大博覧会」です。「となりのトトロ」など数々の名作アニメを生み出したスタジオジブリが手掛けた原画やポスターなどの貴重な資料が展示され、連日長蛇の列が。およそ20万人の来場者を記録しました。
4年前に2代目館長に就任した田沢裕賀さんは、誰もが気軽に足を運べる場所とすることを目指してここまでやってきたと振り返ります。
◆県立美術館 田沢裕賀館長
「くつろぎの場所として、決して敷居が高くなく人々が自由に楽しめる場所。そして県民とともに成長する美術館を掲げている。行けば各自の楽しみ方があると思う。それが文化的な活力として次につながるかもしれないし、ふさぎこんだ心を解き放してくれるかもしれない。そういうような場所としてぜひ多くの人に来てほしい」
また美術館の外ではこんな取り組みも…
23日、大分市の幼稚園では、園児たちが大きな白い布を広げ、楽しそうに動かしていました。これは、体を動かしながら空間の変化などを体感してもらう県立美術館のワークショップなんです。
◆園児
「楽しかった」
「(布の中の)虹色みたいな色が面白かった」
美術館の榎本寿紀さんは開館以来、幼稚園から高校まで出向いて、こうしたワークショップを行ってきました。
◆県立美術館 教育普及室榎本寿紀室長
「布を広げてうわーっとなった瞬間、すごいなと感じる。そういった感じる瞬間すべてが美術なのかなと考えている。全身で喜んでいるのがダイレクトにわかると思う。感性を育てるのはそういうことなのかなと思う」
24日で開館からちょうど10年。
県立美術館では26日から10周年記念の企画展が始まります。モネやセザンヌの名画が展示されるほか、5月23日からは世界に3つしかない、ピカソの代表作「ゲルニカ」を原画として作られた織物「タピスリ」も登場します。
2024年度末の時点で、500万人が来館した県立美術館。これからも気軽に訪れ、芸術に触れ合うことができる場として、様々な企画やイベントを開催してく予定です。