×

「漬け物作り辞めます」手作りの漬け物がピンチ!法改正で… 決断迫られる生産者 資金が…

2024年5月16日 22:04
「漬け物作り辞めます」手作りの漬け物がピンチ!法改正で… 決断迫られる生産者 資金が…

私たちの食卓に欠かせない「漬物」の話題です。
今月末を区切りにある変化を迎えようとしています。

小椿希美アナウンサー
「うん!シャキシャキ!」

木曽地域伝統の漬物「すんき漬け」。赤カブの葉を乳酸発酵させたクセになる酸味が魅力です。

すんき漬け生産者(王滝村)富井聡美さん
「私は5月を持ちまして辞めることになりました。販売は」

一体なぜ…?今、すんきをはじめ、全国的に店で売られている手作りの漬物がピンチを迎えています。

その背景にあるのが、2021年の食品衛生法の改正です。手作りの漬物の製造販売が「許可制」となりました。(※道の駅の漬物売り場)手作りの漬物が店頭から消えてしまうかも、、しれません。

漬物の製造販売が「許可制」になると、何が変わるんでしょうか?

店頭に並ぶ漬物ですが、法改正によりこのような基準が出来ました。例えば調理用の流しと手洗い用の流しを別々に設置するなど設備を整えなければなりません。

これまで自宅の台所などで調理していた個人の生産者は改修が必要になります。

費用や時間など、負担は大きそうですね。

猶予期間が設けられていたんですが、その期限が5月31日に迫ってきました。

信州でも、個人で製造販売している方にも影響が出るんでしょうか?

実は信州では今回の法改正が行われる前からすでに漬物製造を許可制とする条例を定めていました。そのため、県内では影響はないのかといいますと…、あるんです。それが「すんき」です。

そもそも漬物は、野沢菜漬けのように塩やしょうゆなどの調味料を使って作られているんですが、「すんき漬け」は調味料を一切使わず、乳酸発酵で作られていて漬物の定義から外れていました。

ところが、法改正により、「すんき」も漬物として許可が必要になりました。木曽地域のすんき漬けの生産者は多くが高齢者です。

「許可を得るために設備改修をするのか」それとも「引退」か、、難しい選択を迫られているんです。

木曽郡王滝村の富井聡美さん。数年前から自宅で手作りしたすんき漬けを道の駅などに出荷してきました。しかし、今回の法改正により、富井さんは「引退」を決断しました。

すんき漬け生産者(王滝村)富井聡美さん
「だいぶ葛藤はありました。販売して皆さんに喜んでもらえたという声も届いたことがあったりして続けたいなという思いもあったんですけど、やっぱり資金面ですね。一番大きなのは。加工場を新設するに当たってはそれなりの資金もかかりますし、ちょっとそこまではやる決意はできなかったですね」

富井さんは、すんき漬けに使う王滝かぶ作りは今後も続けるということですが、すんきを販売することはありません。

法改正の背景には、2012年に札幌市などで8人が亡くなったО-157集団食中毒事件があり、食品衛生法が見直されたという経緯があります。

食の安全を守るためには必要な改正ではあります。

一方で漬物の生産者は高齢者が多く法改正をきっかけに「引退」という決断をされる方が多くいるのも実情です。

    • テレビ信州NEWS NNN
    • 「漬け物作り辞めます」手作りの漬け物がピンチ!法改正で… 決断迫られる生産者 資金が…