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箱根駅伝にかける信州出身の大学生ランナーたち…それぞれの思いを胸に、走る!【長野】

2024年9月23日 18:40
箱根駅伝にかける信州出身の大学生ランナーたち…それぞれの思いを胸に、走る!【長野】

正月の箱根駅伝まであと3か月あまり。この夏、上田市の菅平高原も、箱根を目指す各大学の合宿でにぎわいました。毎年、多くの信州ランナーが走る箱根駅伝。悔しさや誇りを持って夏の合宿に臨んだ、信州出身の3人です。

【駒澤大学3年・山川拓馬】

今年の箱根駅伝で、絶対王者と目されながら2位に終わった駒澤大学。チームの主力の1人が上伊那郡箕輪町出身の3年生山川拓馬。夏合宿最終日、たった一人、強度の高い練習をこなしていました。

監督
「無理しない、無理しない。大丈夫か?足。この後が大事だから。」

上伊那農業高校から強豪・駒澤へ。1年生でいきなり任された箱根の5区、山登り。得意の上りで、区間4位の走りをみせ、チームの優勝に貢献。今年の正月、2度目の箱根は、希望していた5区ではなく4区を走り、区間順位も6位と、力を出し切れませんでした。

山川選手
「過去でも1番ぐらい悔しくて、ほんとに勝てたレースだったのに、自分で足引っ張ってしまったってのがすごくあって、自分の区間で一気に差開いてしまったのがほんとに悔しくて、あと申し訳ないっていう気持ちもいっぱいで」

振るわなかった原因はケガでした。

駒澤大学 藤田監督
「全日本が終わってから、山川が足がおかしいっていうのが出て来て、11月ほとんど練習が積めなかったんですよ。その時点で私は山川が5区っていうのはもう考えてなかったですね。やはり山は負担がかかるので特に股関節だったですから。」

山川選手
「ちょっとこの状態で走ったら、将来的にもこの先が本当にないなっていうことにもつながってたので、そこをいろいろ考えた上で、5区はやめようっていう形になってました。やっぱりだましだましで全日本からやっていたので、箱根走ってたらやっぱり途中でおかしくなってしまいましたし…。」

もともとケガをするまで練習してしまうような山川。この日も、直前の足の痛みで、1人別メニューだったにもかかわらず、ペースを上げすぎて監督が抑えるほど。

今年の箱根の後、しばらく走れない期間があったものの、夏合宿では選抜メンバーの練習をこなし、再び5区を狙います。

山川選手
「自分は5区を走りたいっていうのは、もうずっと言ってることなので、やっぱり5区を走りたいですし、山の神って言われるぐらいのタイムを出したいなっていうのはすごくあります。」

【順天堂大学2年・吉岡大翔】

朝6時から山道20キロを走っていた順天堂大学。昨シーズンスーパールーキーとして注目を集めたのが、高校時代に5000mの高校日本記録をたたき出した長野市出身の吉岡大翔です。

吉岡選手
「高校時代の時は、大学行ってもだいたい上位で争えるだろうぐらいの気持ちもありましたし、そのままタイムが伸びてけば、日本のトップで争えるだろうなっていうふうに思ってたんですけど、そんなに甘くないっていうのもわかりましたし。」

大きな期待を背負った大学1年目は、学生三大駅伝と言われる出雲、全日本、箱根で、いずれも区間10位前後。チームも4年ぶりに箱根のシード権を逃しました。高校時代の輝かしい成績に比べれば物足りない1年目。しかし、2年目、光が見えています。

吉岡選手
「高校時代が正直何をやっても上手くできてた部分があったので、じゃあ、なんで何もかも上手くできてたんだろうっていう、そこにまず疑問を持てるようになったというか。やっぱりあの頃は、純粋にただ走っているだけだったかなっていう、先生方にうまく誘導してもらえてたのかなっていう。正直あの時よりは、ある意味ちゃんと陸上に向き合えてるっていうか、少しずつは答えが出せて来てるんじゃないかなっていうふうに思っています。」

朝20キロの山道を走った同じ日の夕方、今度は平地を20キロ。吉岡だけ先頭から3分遅れてスタート。それでも10キロすぎには集団に追い付き、最後は先頭を引っ張ってフィニッシュ。

チームメイト
「おれもだいぶ飛ばしたと思って後ろ見たらもういるんだもん。いやもう、めちゃめちゃ速かったもん」

今年の箱根も、吉岡から目が離せません。

【東海大学4年・越陽汰】

越選手(去年のインタビュー)
「もともと東海大学は予選会にまわるような大学では、僕が入学してくる前はなかったので。そのときに戻せるようなチーム作りをしていきたいと思っています。」

去年3年生ながら東海大学のキャプテンを務めた、長野市出身の越陽汰。入学から2年連続で走った箱根ですが、前回は、予選会にも本戦にも出ることができませんでした。

越選手
「症状がでると、ぐるぐるバットしているみたいな感じ…。」

2年生のときに発症した、メニエール病の影響です。

越選手
「正直メンバー発表の時、選ばれなかった時には初めて人生で膝から崩れ落ちたというか、本当に号泣しましたし、ちょっとそこで1回燃え尽きたというか…。」

走れなかった3年目の箱根。チームもわずかな差でシード権を取れませんでした。

越選手
「やっぱり自分が走ってシード権を取りたかったっていうのは、そのとき当時はキャプテンとして強くそういうことを思っていました。」

ほとんど練習もできないという精神状態から、抜け出すまでに半年近くかかりました。6月以降は、大きく体調を崩すこともなく練習を積んでいます。1か月後に迫る箱根予選会に間に合うかは微妙…、しかし、チームが予選会を突破すれば、何としても最後の箱根を走りたいと燃えています。

越選手
「1区5区6区以外なら自分はどこでも走れるような準備をしていきたいなと思っているので、最後自分なりにいい形で締めくくれたらなっていうような思いで、いま練習しているような感じです。」

いよいよ大学駅伝シーズンが始まります。
箱根駅伝は毎年1月2日と3日。順天堂大学や東海大学などシード権を逃している大学は、1か月後の10月19日に行われる予選会で箱根駅伝出場を目指して戦います。

信州ランナーたちの活躍に期待!