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JA全農長野 長谷川孝治本部長に聞く 「食は命」信州の農を世界へ 県産品の海外輸出の可能性・農業の現状は…

2024年5月15日 21:30
JA全農長野 長谷川孝治本部長に聞く 「食は命」信州の農を世界へ 県産品の海外輸出の可能性・農業の現状は…

特集はシリーズ、新たなトップに聞く。2回目の15日は、JA全農長野の本部長に就任した長谷川孝治さんです。

県産品の海外輸出の可能性や農業の現状、そして長谷川さんが特に心配する畜産の課題まで、信州農業の現状を厳しい視点で語っています。

JA全農長野 長谷川孝治・新本部長
「今回の国際紛争なり為替変動を見ても安定的に食料が入る状況ではない。これは理解していただきたい」
「食は命をつなぐ。人にとって食抜きでは生きていけない。自ら食す食べ物がどこから来て、どのように作られ、誰が作り、将来子どもたちにどう繋いでいくのか、県民の皆さんに一緒に考えていただければ」

農業をめぐる現状に厳しい認識を示す長谷川孝治さん。この4月から、県内最大の農業団体、JA全農長野のトップ=本部長を務めている。

長野県の農産物産出額は年間3195億円で全国7位。農家数はおよそ9万世帯、全国1位の農業県だ。

JA全農長野 長谷川孝治・新本部長
「長野県の農畜産物は非常に品質が高く海外競争力は十分見込める。ブドウを中心にモモ、ナシ、キノコ、市田柿の輸出拡大に取り組み、果実は直近で20億円の輸出実績」

長谷川さんが特に力を込めるのが、農畜産品の海外輸出。

県産の高級牛肉「信州プレミアム牛」は、京都など関西市場を経由して北米や海外へと輸出されている。

そして、信州産のコメも……。

JA全農長野 長谷川孝治・新本部長
「オーストラリア向けに風さやか(県産米)に力を入れて輸出展開している。以前シンガポールへ金芽米=県産コシヒカリを原料に輸出。 一時コロナで思うようにいかない時期もあったがここに来て非常に評価されている。さらに輸出量は増えると見ている」

Qまだ伸びしろのある分野?
JA全農長野 長谷川孝治・新本部長
「ただ為替(円相場)の影響はあるので原料の部分ではマイナス、輸出の部分ではプラスに働く」

一方で、すぐに議論すべき課題の一つに畜産業・食肉を巡る環境を挙げた。いま、県内に2か所ある食肉処理場のうち、松本の施設が移転先が見つからないまま立ち退きを迫られている。

この施設の運営主体が、JAだ。

JA全農長野 長谷川孝治・新本部長
「一番懸念されるのは北信(中野市の処理場)だけでは県内で屠畜しているもの全て食肉にすることはできない。では県外に持っていけばいいかとなると当然運賃コスト増える。思いがけないブタ熱…怖いのは今まで日本に入って来なかった疾病が海外で確認されている。もし長野県で発生した場合、県をまたいで他県の処理場に持っていくことができない。屠畜出来ない豚、牛が発生する可能性がある。そうなった時、安定的に県内に食肉をどう供給するかが課題に」

国内、国外の事情が直接地方の農業に降りかかる時代。

信州農業を支える新たなトップには向かい風の船出でもある。

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