【注意】スポーツによるけが 予防法は? 処置法は? 予防のための手軽なストレッチも紹介
毎週水曜日のくらしと健康企画「元気○らいふ」です。
これから涼しくなるとスポーツをするのにちょうど良い季節になりますが、注意したいのが「けが」です。
そこで、4日はスポーツでけがをしないための予防法や、けがをしてしまった際の処置法についてスポーツドクターに聞きました。
ことし5月に開院した岩手県盛岡市向中野にある「いわてスポーツ・整形外科クリニック」です。
診察にあたるのは盛岡市出身の医師、和田知樹院長です。
和田院長は、整形外科が専門でこれまで県外の大学病院や東京オリンピック・パラリンピックの選手村などの勤務経験があります。
和田院長
「スポーツの(けがには)『外傷』と『障害』というものがあって、『外傷』は、スポーツをやっていてその場で一発で起こるけがのことで、『障害』は、小さなストレスが積み重なって起こるけがのことをいう」
「スポーツ外傷」はアクシデントによって起こることが多く、打撲、捻挫、骨折、肉離れなどです。
「スポーツ障害」は日々の蓄積により突然の痛みにつながっていきます。
疲労骨折、ヘルニア、野球肘などがそれにあたります。
和田院長
「まず痛くなった部位はしっかりと冷やしてほしい。そこの部位に炎症があるので、その炎症が広がらないことが大事なのでアイシングをする。早めに病院に来てほしい」
けがをしたときの応急処置で「冷やす」と「温める」の判断についておさらいです。
けがをしてから48時間の「急性期」と呼ばれる期間は、患部を冷やして炎症を抑えましょう。
「急性期」が過ぎたら、細胞の新陳代謝を促し、患部の状態をよくするために温めるようにしましょう。
ただし、けがの状態にもよるので、自己判断はせず、医療機関で診察を受けて医師に相談してください。
10月27日には、「盛岡シティマラソン」が開催予定で、今のうちから練習を始めている人もいると思います。
走り慣れていない人がいきなり練習をすると、けがをしてしまう可能性があるといいます。
和田院長
「初心者の人に一番多いのは走り出してはじめの数日間で膝や足が痛くなって走るのをやめてしまうことが多い。使っていない筋肉や関節は最初使いすぎてしまうと炎症を起こして痛みが出てしまうので一番最初は軽めから、徐々にならして距離や運動強度を上げていくのが良い」
和田院長
「身体の使い方やフォームも大事だが、第一に予防できるところは、柔軟性をあげていくこと『ストレッチ』です」
実際に家で座ったままできる下半身のけが予防のストレッチを教えてもらいました。
テレビの前の皆さんも無理のない範囲で一緒にストレッチをしましょう。
【お尻の筋肉を伸ばすストレッチ】
①いすに浅く腰かけ、片足をもう片方の膝に乗せます
②胸を張って骨盤を立てましょう
③呼吸をしながら上体を前に倒して20秒以上伸ばしましょう
和田院長
「お尻周りとかもも周りのストレッチになるので走るときの『でん部』の筋肉にだいぶ効いてくると思います」
【もも裏の筋肉を伸ばすストレッチ】
①先程からそのままの体勢で、つま先を上に向けて膝を伸ばして足を出します
②胸を張って背筋を伸ばしたまま上体を膝に近づけるように倒しましょう
③20秒くらい伸ばしたら次は膝を軽く曲げて同じように状態を倒します。
こちらも20秒以上伸ばしましょう
【ももの前側を伸ばすストレッチ】
①座ったままお尻の下にかかとが入るように膝を曲げます
②上体をゆっくり後ろに倒します
和田院長
「できればお尻の下のかかとが入るといいなと思う。その状態で体を倒していく。そうすると、ももの前側が伸びていくので、これも20秒以上やってみてください。まだスポーツをするには暑いので、まずは水分補給と暑さに気を付けるのが第一」
和田院長によりますと、ストレッチは運動の前後に限らず、入浴後や寝る前など時間があれば、どんな時でもやることがけがの予防に効果があるということです。
スポーツの秋、自分の体と相談して楽しく運動をしていきたいですね。
以上、「元気○らいふ」でした。