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震災と山林火災で2度の被災 大船渡市三陸町綾里のアワビ養殖水産会社では【東日本大震災14年】

2025年3月11日 19:05
震災と山林火災で2度の被災 大船渡市三陸町綾里のアワビ養殖水産会社では【東日本大震災14年】
大船渡市山林火災は避難指示はすべて解除されましたが、生活、そして生業の再生がこれからの課題となります。
東日本大震災でも被災した、大船渡市三陸町綾里地区の水産会社から中継です。

林アナウンサー
およそ40年前からアワビを養殖している北日本水産からお伝えします。
こちらの会社は、年間100万個以上のアワビを国の内外に出荷していましたが、山林火災の影響を強く受けています。私の目の前には生後1年のアワビが入った水槽があるのですが、水が濁りほとんど全滅している状態です。
東日本大震災と今回の山林火災、2度の大きな被害を受けています。

2011年の東日本大震災。14年前、北日本水産は、津波で養殖場が全壊しました。

あきらめずに施設を復旧。売り上げはここ数年で、ようやく震災前の水準に戻りました。

「動いている」「生きていますよね」

そんな中、発生した山林火災。操業を長期間ストップせざるを得なくなりました。社屋は無事でしたが、火事で海水を海からくみ上げるためのパイプなどが被災。使えなくなりました。

停電の影響で、250万個のアワビは窒息してほぼ全滅。被害額は5億円前後とみられ、施設を修理し、アワビを出荷できるサイズまで大きくするのに3年以上かかる見込みです。

林アナウンサー
アワビだけでなく、火事で施設の一部が焼け、修復が必要な状態です。
ただこちらには火災で生き残ったわずかなアワビも見られます。今後の希望となりそうです。

北日本水産社長の古川 季宏さんです。東日本大震災に続き2度の被災になりましたが、どうお考えですか?

古川さん
「まさかまた東日本大震災直後の状態に戻るとは思っていなかったです。ショックは大きいです。」

震災での被災から14年。前回被災した時との違いは?

古川さん
「震災の時は会社も自宅もすべて流失しましたが、今回は被災したとはいえ、養殖施設が残っていますし、まだましかなと思っています。

息子さんも一緒に働いていますが、それについてはいかがですか?

東日本大震災直後はまだ中学三年生で幼かったですが、いまは弊社で営業部長で活躍しています。これも復興の助けになるかなと期待しています」

苦しい状況の中でも、力を合わせて一日も早い復興に臨みます。
最終更新日:2025年3月11日 19:05