人口4200人の山間の町「宮崎県美郷町」の魅力と課題をグラス片手に語りつくす!「&BAR26(アンドバーニーロク)」美郷町篇
美郷町が誇るものとして、まずは「宇納間備長炭」がある。日本三大備長炭のひとつとして全国的に有名で、海外からも引き合いがあるという。農産物では、きんかん、栗、お米、梅を作っている人が多い。
こうした「里の恵み」を活かした商品も開発されている。栗については、「栗きんとん」「栗おはぎ」「モンブラン」「マロンパイ」などバラエティ豊かな品揃え。このほかにも「きんかんのお菓子」や「朝色紅茶」も自慢の品だという。
特産品を巡って、美郷町では近年、新しい動きがある。上質の栗きんとんを「穂垂(ほたる)」として発売した。「美郷の自然が育む、光る味わい」をキャッチフレーズにしていて、美郷町の栗の甘さと香りが一粒に凝縮されている。美郷町の自然の光景を思い出させ、口の中で広がる栗の風味が蛍の光のように輝く、という意味が込められている。
また、約60年ぶりに復活させた日本酒「いすゞ美人」も話題だ。もともと美郷町北郷地区の酒蔵で作られていたが、蔵が途絶えてしまっていた。この「いすゞ美人」を復活させようという動きがあり、解体されず残っていた酒蔵から酵母を採取するところから始めたという。米も、当時使われていた「瑞豊(ずいほう)」という品種を育てて作った。生産・収穫して再び植え付けてと、2年の月日を費やしたという。
このため多くを生産することはできず、初回生産は1500本のみ。既に完売となっているが、この日は「&Bar26美郷町篇」のために、職員が持っていた貴重な1本が提供された。土屋准教授は「レアな物だし、なによりも物語がある。」と興奮気味。専門的には「死蔵資源=(死んでしまっている資源)」と言われるもので、どの地域にもたくさんあるものの、実際に再定義して作るのは、地域の力がないとできないとのことだ。土屋准教授は、今回の美郷町の取り組みを高く評価した。
ちなみにお味は、香りが甘い感じ。最近の日本酒はフルーティな味わいが多いが、どちらかというとお米を感じるとのこと。