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生きるのがしんどいときは「かくれてしまえばいいのです」小中学生のタブレット端末に「第三の居場所」を導入 ウェブ空間を活用し子供の自殺者を少しでも減らす取り組み 宮崎県都城市

2025年4月1日 15:00

児玉教育長は、子供たちの生きづらさを減らし、心と命について考えてもらうことが、自分だけではなく他人を尊重することにつながるのではないかと話す。

都城市教育委員会 児玉晴男教育長:
子供の命をどう考えるか。これが教育の中では最優先。子供の命がなくなってしまえば、教育は成り立たない。子供の命を大切にすることは私たちの使命なので、その使命を果たしていきたいと思っている。

高校生の自殺者は347人にものぼる

小中高生の中で最も自殺者数が多いのは、より大人に近い年代の高校生だ。513人中、小学生が13人、中学生が153人、高校生は347人になる。

自殺したいと強く思ったことがある人、または自殺未遂をした経験がある人を対象にした調査では、「相談できる人がいるか?」という質問に対しては、3割の人が「いない」と答えている。また、「相談窓口を知っているか?」は8割近くの人が「知っている」と答えた一方で、「相談にためらいがあるか?」に関しては半数以上が「ためらいがある」と答えている。8割近い人がこの相談窓口を知ってはいるが、なかなか相談ができないということが現状として浮かび上がる。

実際に相談しようとした経験者は、「高校時代に電話相談を利用してみようと思ったことがあったが、発信履歴で親にばれてしまって心配させてしまわないかな?声が特定に繋がったりしないかな?という不安で結局かけることができなかった」という。やはり知られたくない部分も、感情としては強く出てくる。

周りの人にできることは

都城新生病院児童思春期精神科 河野美帆医師:
子供たちに「SOSを出してね」というだけでは難しい。社会や大人もどうやってSOSを出していくのか、どのように手を差し伸べられるかという、こちらからのアプローチを今後考えていかないといけない。

環境の変化が訪れる時期、どういったところで子供の変化に気付いていくことができるだろうか?

都城新生病院児童思春期精神科 河野美帆医師:
日常生活で少し過ごし方が変わったかな?というのはわかりやすい変化。あとは心の不調を感じたときに、どこか自信がなくなるっていう子が多い。また、1年のうちで、季節の変化とか長期休み明けは体力が落ちていたり、気持ちの面でも学校が始まると負担になったりということがあるので、「そういう時期があるんだよ」っていうのを事前に教えてあげて、家族の会話として取り上げてもらう。そして、のちのち数か月後に「そんな時期だったけど、どうだった?」っていうふうに話してもらえるといいのかなと思う。

宮崎県の自殺死亡率は全国で2番目に高い

テレビ宮崎