熊本地震に学ぶ、南海トラフ巨大地震への備え 「経験と教訓を無駄にしないように」直接死より災害関連死の方が多かった
熊本地震震災ミュージアム『KIOKU』 久保さん:
熊本地震の特徴として、余震がすごく長くて多かったということがある。
熊本では、2016年4月14日からの約2週間で、震度5弱以上の地震が計22回(大分県含む)あった。
熊本地震震災ミュージアム『KIOKU』 久保さん:
建物の中にいるのが怖いということで、車中泊が長い方がいた。半年とか続けていた方もいた。
熊本地震震災ミュージアム『KIOKU』 久保さん:
その結果、熊本地震の避難生活の中で亡くなられた方が約220名。直接死より関連死の方が多かった。これは本来、防げた死で、やはり皆さん、地震に対する備えのほか、避難生活に対する備え、例えば高齢者の方あるいは体の不自由な方がどうやって生活をしていくのか、あるいは衛生環境をどうやって保っていくのか、薬の備蓄、食べ物の備蓄、そういったものも含めて、もっともっと地震が起こった後の避難生活への備えが必要だなということを学びとして感じている。
布田川断層帯の上へ
震災以前、この敷地には東海大学の阿蘇キャンパスがあったが、地震によって被害を受け使用できなくなった。被災した校舎などが当時の状況のまま展示されている。
熊本地震震災ミュージアム『KIOKU』 久保さん:
これがいわゆる熊本地震の本震を起こした「布田川断層」による地表地震断層。この断層の地下で起こったずれが地面まで届いて、地割れが起きたもの。
熊本地震震災ミュージアム『KIOKU』 久保さん:
この断層が東海大学の1号館、いわゆる講義室等が入っている建物の真下を貫いてしまった。見てわかる通り、階段等もかなり大きな被害が出てしまっている。
熊本地震震災ミュージアム『KIOKU』 久保さん:
コンクリートの建物で、ひびだらけ。一般的な木造建築に比べて丈夫で、避難所としても使える鉄筋コンクリートの建物でさえこれだけの被害を受けてしまうというのが断層の近くの被害。