建設現場の熱中症対策「ファン付きウェア」「腕時計式センサー」「移動式カメラ」で徹底されていた 職場での熱中症対策義務化 怠ると企業に罰金も
炎天下で作業することが多い東九州自動車道の建設現場での熱中症対策を取材した。
義務化された熱中症対策
2024年の1年間に宮崎県内で発生した熱中症による労働災害は172人で、2023年の1.7倍と大幅に増加した。県内では2024年8月、延岡市の道路工事の現場で50代の交通誘導員男性が熱中症で死亡する事故も発生している。
熱中症対策で義務化された1つ目が体制整備。熱中症の症状を訴えたり、熱中症の恐れがある人を見つけた場合に備え、連絡先や担当者を決めておく必要がある。
2つ目の「手順作成」では、症状の悪化を防ぐため、作業をやめて体を冷やしたり、医療機関に搬送するなど、処置の方法を定める事などを求めている。
対象となるのは、「気温31度以上の環境などで連続1時間以上、又は1日に4時間を超えての作業が見込まれる場合」と示されている。
東九州自動車道の建設現場では
対策を求められる企業の取り組みを取材した。
宮崎県日南市で行われている東九州自動車道の建設現場。4つの企業が工事に携わっている。
こちらでの作業員を守る熱中症対策は、こまめな水分補給に加え、1時間に1回は10分間の休憩を実施。
冷えたスポーツドリンクやゼリーなどが休憩所に用意されている。
作業員:
こまめな水分、塩分補給。作業員には、「ちょっとでも具合が熱っぽいとか、気分が悪くなったら言ってください」と言っている。
作業員:
現場が鉄板とか敷いてあって照り返しで普段より暑く感じるので、水分補給は欠かせない。
また、作業員には所属する企業から「ファン付きウェア」が支給される。
さらに、必要に応じて「腕時計式センサー」も着用。体の中心部分の温度が上昇し、熱中症リスクが高くなるとアラームで知らせる仕組みだ。
横河ブリッジ日南油津大橋作業所 長田修監理技術者:
夏の猛暑での作業になると頻繁にアラートがなって、音とLEDの光と振動で知らせてくれる。
移動式カメラで熱中症を早期発見
6月から始まった熱中症対策の義務化に伴う新たな取り組みも…。