「良いこと悪いこと含めて、落語は人生」元師匠からのパワハラで活動休止も裁判で勝訴 この秋、真打に昇進する「吉原馬雀」 笑いの裏に隠された苦悩と情熱に迫る(前編)
大学卒業後は宮崎にで就職。一度はサラリーマンの道に進むも、落語家になりたいという気持ちが収まらずに上京を決意した。
吉原馬雀:
ちょっと強引に親にも説明はしたけど。なかなか複雑な感じ。送り出してくれたけどね。
当時の心境を、両親はこう振り返る。
母 井上利律子さん:
先の見えないことよりも、現実味のある生活をして欲しかった。
父 井上薫さん:
大丈夫やろかっていうのがあったから…でも彼がどうしてもなりたいと言うから「じゃあやれっ」て、背中を押しただけ。
2009年、念願だった落語家の道を歩み始めた。
落語のネタ作りも「DX化」
これから練習、という馬雀氏が向かったのは、カラオケボックス!声を出すためには、どうしてもこういった空間が必要だという。部屋にもこだわりはあるのか?聞いてみると…
吉原馬雀:
いや、ないですよ!案内されたまま。DAMとかJOYSOUNDとか、(希望を)聞かれますけど、関係ないんで。
ネタ作りはすべてスマートフォン。落語界でもDX化が進んでいるようだ。要らないと思ったセリフを削ったり、ちゃんと言った方が良いセリフは青字に、セリフの追加は赤字にしているとの事だ。
吉原馬雀:
ここのセリフは果たして伝わるのかなとか、もっといい別の言い方はないかなとか、そういうのは、結構、最近意識する。
仲間からみた馬雀は…
東京で落語家仲間とランチ。
落語協会 入船亭遊京:
兄さん(馬雀さん)の落語のキャラクターは兄さんに似ている人が多い。よく出てくるのが、話しがわからない人。ものがわからない、話がわからない。本当に話がわからないよね。
落語芸術協会 桂南楽:
見た目の通り、すごくやさしくて、本当に何を言っても怒らないので、すごく甘えさせてもらっている。すごくやさしい兄さん。
落語立川流 立川らく兵:
一番感じるのは、リーダーシップ。後輩というより先輩という感じ。引っ張ってもらっている感じ。今年も宮崎でやる予定ですけど、全部仕切ってくれて。馬雀さんいなかったら宮崎で落語会やってない。だからも、う大船に乗ったつもりです。向こうが大船でね。