レギュラーガソリン平均価格 過去最高値続く 山形が全国でも高い価格の背景は…
16日に発表されたガソリンの最新価格で山形県内のレギュラーガソリンは、前の週の過去最高値と横ばいとなりました。北海道・東北で最も高く全国では3番目の高値です。ガソリン価格の高騰が続く中、専門家に今後の見通しと山形県が全国でも高い水準となっている理由を聞きました。
資源エネルギー庁によりますと14日時点の県内のレギュラーガソリンの平均小売価格は、過去最高値となった先週と同じ1リットル当たり193.5円となりました。これは、全国で3番目に高く、全国平均よりもおよそ7円高くなっています。北海道・東北では最も高い価格水準です。
ガソリン価格の今後の見通しについて地域経済に詳しい東北大学の吉田浩教授は、「当面、高値で推移する」と話します。その原因として挙げられるのが円安の影響です。
東北大学大学院経済学研究科 吉田浩教授「日本はガソリンを輸入しているので円安で輸入価格が高くなる。円安が根本的に解消しない限りは供給も足りないし、値段も高い状態が続く国内的な問題だけですぐ解決できる訳ではないので影響はかなり長引く」
一方で。
「(なぜ県内は全国的に見てもガソリン価格が高いのか)供給側の要因としては近くに大規模な製油場がないためにガソリンを遠くから運んでこなければならない輸送コストがかかる」
東北には仙台市に唯一の製油所があります。山形が高い理由として「製油所から県内に運ぶ輸送コストが掛かる」ほか、「山形県の市場規模が他県に比べて小さいため輸送コストに見合った利益を上げるために価格を高く設定せざるを得ない」ことなどが考えられるということです。また、東北各県のガソリンスタンドの数をみると県内が最も少なくなっていますが、このことも高値の原因と分析します。
「競争は競合相手がいっぱいいないといけない。近年ガソリンスタンドの数が減っているというニュースも伝えられているので、競争があるどころかこの地区にはこのガソリンスタンドしかないという弱い意味での独占販売のような環境にあることも影響しているのかもしれない」
一方、ガソリン価格を巡っては、自民・公明両党と国民民主党がことし6月から価格を引き下げるため、対応策を実施することで合意していますが…
「政府がガソリンを買うための補助金や給付金を与えたとすると高いガソリンを買い続けることになる。値段が上がったままもしくはさらに高騰にすることが考えられる。政府としてやるべきことはガソリンを『高くても買い続けられる政策』ではなく、安価に供給できる政策を目指すべき」
吉田教授は「補助金による対策ではガソリンのもともとの値段を下げることにはならない」として、ガソリン税の見直しや円安対策によってガソリン価格を下げることが必要だと話します。
ガソリン価格を調査した石油情報センターは来週のガソリン価格の見通しについて「トランプ関税による景気後退の懸念で原油価格が下落することから来週は小幅な値下がりになる」と予想しています。