参議院議員選挙まで2か月 山形県選挙区 立候補予定者が事務所立ち上げ動き活発化
およそ2か月後に迫った参議院議員選挙、県選挙区では今のところ4人が出馬へ名乗りを上げています。各陣営では選挙事務所の立ち上げなど決戦に向けた動きが活発化し臨戦態勢が固まりつつあります。
これまでに次期参院選への出馬を表明しているのは、無所属で現職の芳賀道也さん(67)、自民党新人の大内理加さん(62)、共産党新人の三井寺修さん(45)、参政党新人の佐藤友昭さん(52)です。
17日、山形市内に選挙事務所を開いた芳賀さん。事務所開きには、推薦を受ける立憲民主党、国民民主党の両県連や連合山形の関係者を含め合わせて110人が出席しました。
芳賀道也氏(無・現)「与党でなければ何もできない、中央に太いパイプがなければだめと言われてきた山形県、保守王国・山形はどうなっていますか、皆さん。消えてしまいますよ、今月で人口100万人を切って、そして農村が日本から消える危機にある」
この前日には、国民民主党の県連大会に出席した芳賀さん。大会には党本部から玉木代表が駆け付け、激励しました。
国民民主党・玉木雄一郎代表「必ず芳賀さんの当選と全国各地域で頑張る私たちの仲間、全国比例の仲間、一緒になって何とか1議席でも議席を大きくし、私たちの政策実現力を高めていきたい」
国民民主党は県選挙区を「最重点選挙区」に位置付け、今後も玉木代表が来県して芳賀さんの支持を訴えていく考えです。
国民民主党・玉木雄一郎代表「やはり山形県で議席を獲得し、強くしていくことでそれを東北全体に広げていく、その要となる県だと思っているので、我々としては最重点選挙区の1つだと思っている」
芳賀さんは前回2019年の参院選では共産党の支援も受け「野党統一候補」として初当選しました。しかし、今回は現在のところ、共産党からの支援が見込めない状況です。現職議員として活動しながら、通常国会の合間を縫って山形に戻り、県民に広く支持を呼びかけていく方針です。
芳賀道也氏(無・現)「与党の議席が増えたとなると私の責任。私が一番頑張らなければならない。私の責任は重大だと感じているし、多くの草の根の声は強い。多くの皆さんに与党政権のおかしさを訴えて戦っていきたい」
一方、自民党新人の大内さんは5月11日、芳賀さんに先立ち山形市内に選挙事務所を開きました。事務所開きには、自民党の3人の県選出国会議員のほか、山形市や長井市など12の市と町のトップも含め、およそ100人が出席しました。
大内理加氏(自・新)「今ほど県民の皆様から政治に対する厳しい声、日々の生活に対する苦しい声を聞いている時期は過去にはない。しっかり政治を安定させること、地方分散型の国づくりを実現することだと思う」
「政治とカネの問題」を巡る党への逆風が依然として続いていると感じている大内さん。それでも、自民党県連の遠藤利明会長は、2021年の県知事選や前回2022年の参院選で敗れて以降、大内さんが地道に続けてきた活動への手応えを口にしました。
自民党県連・遠藤利明会長「ようやくあと一息まできた。ここからが大変。必死の思いで皆さんの力をいただきたい」
参院選県選挙区では2016年以降、自民党が擁立した候補者が3回連続で敗れています。
県内では、衆議院の3つの選挙区ごとに選挙対策本部が立ち上げられるなど、全域で厚い組織による支援を目指します。
自民党県連・遠藤利明会長「かなりいいところまできているというのが実感。今度の選挙、山形県から自民党の参議院議員を当選させるということ、大内理加さんを国会議員にさせたいという思いを皆さんに共有してもらうことに尽きると思う」
選挙事務所の開設以降も、各地での決起大会に臨むなど活動を活発化させている大内さん。
大内理加氏(自・新)「世界が混とんとしている状況で、こういう時こそ自民党の力が必要ではないか、一方で、自民党だけが良いわけではなく、生まれ変わらなくてはいけないところはたくさんあるので、私が自民党の中から変えていきたいと話している」
こうした中、集票に影響力があるとされ、各陣営が動向を注視しているのが吉村知事です。5月14日の定例会見で、参院選への対応を問われた吉村知事はー。
吉村知事「現時点で私がどのような対応を取るかはまだ全く考えていない」
16日の国民民主党の県連大会に芳賀さんとともに出席しましたが、参院選に関する発言はありませんでした。
一方、翌日の芳賀さんの事務所開きでは、会場に激励を意味する張り紙、いわゆる「為書き」が吉村知事名で寄せられていたほか、メッセージが読み上げられました。
知事のメッセージ「芳賀道也氏のご健闘をご祈念致します。令和7年5月17日、山形県知事・吉村美栄子様でございます」
芳賀さんの陣営では「事務所開きの案内の際に知事に為書きなども依頼したので寄せていただいたと考えている」としています。
一方、大内さんの事務所には、メッセージや為書きは寄せられていないということで、今後の吉村知事の動向も注目されます。
このほか、参院選県選挙区に出馬を予定している共産党の三井寺さんは18日、党の集会に出席するなどし支持拡大を訴えています。
参政党の佐藤さんは街頭演説などで知名度の向上を図っていて、5月中に選挙事務所開きを行う予定です。