鶴岡市のベンチャー企業が「献便施設」開設 腸内細菌から難病の治療薬開発に利用 ドナーに協力金も
健康な人の便に含まれる腸内細菌から難病の治療薬を開発している鶴岡市のバイオベンチャー企業が、この度、日本初となる「献便施設」を鶴岡市に開設しました。
腸内細菌から薬の開発を行っているのは、鶴岡市覚岸寺のバイオベンチャー企業メタジェンセラピューティクスです。健康な人の便に含まれる腸内細菌を使って主に潰瘍性大腸炎やパーキンソン病の治療薬を開発しているということです。今回、鶴岡サイエンスパーク内に3か所の専用トイレを備えた日本初の献便施設、「つるおか献便ルーム」を開設しました。
メタジェンセラピューティクス中原 拓社長「薬の原料となる人の便を献血センターのような形で集めなくてはならないということで『献便センター』と言っていてここでドナーに便をしてもらいそれを使って薬を作る場所」
便を提供するにはドナー登録が必要で、事前にオンラインで健康チェックを行い鶴岡市立荘内病院で血液や便などの検査を受ける必要があります。
ドナーの募集は、ウェブサービス「ちょうむすび鶴岡」から行っていて、庄内地域に住む18歳から65歳までの健康状態が良好な男女が対象です。ドナーには便の提供1回につき最大5000円の協力金が支払われることになっていて、4月24日の開所から9日までに数名がドナーになったということです。
メタジェンセラピューティクス中原 拓社長「日本の中でもこの地域は山菜をトップレベルで消費する。いろいろな種類の食物繊維を食べると腸内に住んでいる菌の種類が増える。多様性が高い菌は治療薬としてもいいかもしれないということはいろいろな研究で示唆されている。世界中の潰瘍性大腸炎に苦しむ患者やパーキンソン病に苦しむ患者に届けられるように研究をしっかりやっていく」
治療薬は来年、日本とアメリカで臨床試験を行い2032年の承認・販売を目標に開発を進めるということです。