米沢牛のふんでバイオガス発電 国の「脱炭素選考地域」に米沢市と飯豊町の事業計画採択
脱炭素社会の実現に向け先進的な取り組みをしている地域に国が財政支援を行う「脱炭素先行地域」に米沢市と飯豊町の事業計画が山形県内で初めて採択されました。米沢牛のふんを使ったバイオガス発電などに取り組むとしています。
米沢牛のおよそ6割を飼育する米沢市と飯豊町では、牛から出る糞尿を回収しきれないなどの課題がありました。こうした課題を解決し脱炭素社会の実現につなげようと、市と町が連携し、地元の小規模畜産農家から回収した牛ふんや廃棄食品を発酵させてできるメタンガスを活用して発電する「バイオガス発電」を計画しました。
こうした事業計画が今回、国が財政支援を行う「脱炭素先行地域」に採択されました。
事業費は米沢市がおよそ71億円、飯豊町が51億円ほどのあわせておよそ122億円を見込んでいます。今回の採択を受け、国からおよそ50億円が交付される予定です。事業期間は今年度から6年間で、さらに、民間企業とも連携し地元で発電した電気を安く住民に提供する仕組みづくりも計画しています。
採択を受け、米沢市の近藤洋介市長と飯豊町の嵐正人町長が9日、米沢市役所で合同の記者会見に臨みました。
米沢市・近藤洋介市長「バイオガス発電による脱炭素化で新しい米沢牛のブランド価値の創造をできると確信している糞尿の処理といった課題を解決して畜産生産の競争力強化にもつながると確信している」
飯豊町・嵐正人町長「せっかく地域で作った電気なので町民に多く利益を生むような仕組みをつくりながら町民がよしやっていこうと思えるような事業にしていけるようこれから進んでいきたい」
計画では、再来年度から飯豊町で、翌2028年度から米沢市でそれぞれバイオガス発電施設の建設工事を開始する予定です。