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ハワイで学生につや姫の炊き方伝授 その学生たちが来県し田んぼなど見学

2025年6月10日 18:16
ハワイで学生につや姫の炊き方伝授 その学生たちが来県し田んぼなど見学

県産ブランド米「つや姫」がアメリカのハワイ州で販売され、ことしで10年を迎えるのに合わせ山形新聞・山形放送が8大事業として取り組んだ「県民ハワイ交流訪問団」に同行取材した松山大雅記者の報告、最終回です。
松山記者 今回はハワイの飲食業界を今後担っていく若い世代につや姫の魅力を伝えるため、現地・ハワイの調理学科の学生を対象に行われたつや姫の炊き方を学ぶ講義の模様をお伝えします。

ハワイ・オアフ島のランドマーク、ダイアモンドヘッドのふもとにある短期大学「カピオラニ・コミュニティカレッジ」。「KCC」の愛称で知られる学校には調理学科があり、この日は20人の学生が集まりました。将来、ハワイで飲食業界に携わる若い世代につや姫の魅力を伝えようと調理法などを学ぶ講義が開かれました。講師は鶴岡市の加茂水族館にあるレストランで料理長を務める須田剛史さんです。

加茂水族館 須田剛史料理長「このつや姫は炊きあがった時にとても美しいつやがある。味わいが美しいという表現から つや姫となっている」

須田さんははじめにコメのとぎ方を実演しました。

加茂水族館須田剛史・料理長「ここのポイントは粒が割れないように直接水を当てません。みなさんどうやって洗ってますか?」
学生「頭を抱えながら水を当てて洗っている」

さらに、つや姫のおいしさを引き出すひと手間もー。

加茂水族館 須田剛史料理長「きれいに洗ったつや姫はだいたい同じ量の水に30分つける」
通訳「Q・なぜこれが重要な行程か」
学生「コメに水分を吸収させるため」通訳「完璧です」
加茂水族館須田剛史料理長「このコメに水分を目いっぱい含ませると、ふっくらとしたつややかなお米に炊きあがる水を含ませないと芯が残って固くておいしくない」

今回は土鍋を使ってつや姫を炊く方法を実演しました。

須田剛史・料理長「基本のお米の炊き方は最初はチョロチョロ、弱火で中パッパ、中火で炊く。そして、赤子が泣いてもフタを開けるな、蒸す」

昔から言われている基本の炊き方を説明した後、須田さんは、より美味しく炊く方法として最初に強火にする方がうまみ成分を増やすことが出来るとアドバイスしました。
その後、学生たちは炊いたつや姫を使ったマグロの握りとおにぎりを試食しました。

学生「うまい」
学生「とてもおいしい」
学生「つや姫について学び、実演や試食できるすばらしい機会をいただいて とても幸せに思うとてもおいしいです」

加茂水族館須田剛史・料理長「つや姫の特徴的な炊き方、 コメの洗い方を教えて、これをぜひ自分の家で炊いてもらって、山形県のつや姫はおいしいという評価をしてほしい」

学生たちはつや姫の魅力に触れ、産地である山形の食文化にも興味を示していました。

アナウンサー「今回、講義を受けた学生たちとは今後も交流が続いていくんでしょうか」

松山記者「講義を受けた学生たちですが、実は、6月4日から県内を訪れているんです」

アナウンサー「県内ではどんなことを体験したんでしょうか」

松山記者「ハワイで開かれた講義で講師を務めた加茂水族館の須田剛史料理長と魚市場に行き、魚の目利きを教わったほか、魚のさばき方を教わったということです」

また、つや姫の生産農家のもとを訪れて田んぼの見学などを行ったということです。
さらに、10日は県庁を訪問し吉村知事と懇談しました。

吉村知事「アロハ~実際に現場をご覧になって、 生産者の思いに触れてもらったこと 大変喜ばしく思う」
学生「活締めの実演やヒラメ・フグの調理を見ることも興味深かった。ハワイに戻ってからも今回のストーリーをみなさんとシェアすること、 つなげていくことが大事だと思う」
学生「田んぼを見て、農家さんや須田さんから料理まで勉強できたのは特別な経験だった。家族のためにに学校でも将来の仕事でも日本料理を作りたい」

学生たちは、6月14日まで日本に滞在予定ということです。
現在、日本国内では、コメの価格などをめぐってさまざまな動きや議論がわき起こっています。一方で、中長期的に見ると人口減少などが進み、国内の消費市場は縮小されると見込まれています。県は今後も輸出による市場開拓に向けつや姫を中心としたハワイとのネットワークを継続していく方針です。

最終更新日:2025年6月10日 20:09