連覇か雪辱か 山形県縦断駅伝27日号砲 天童・東村山と南陽・東置賜 互いに意気込む
郷土の誇りを懸けて各地域のチームが競う山形県縦断駅伝がいよいよ27日から3日間行われます。ことしは、県内各地域の11チームの代表がタスキをつなぎ、3日間で28区間、全長286.8キロで競います。ことしの大会の注目チーム、連覇を目指す天童・東村山。そして、王座奪還誓う南陽・東置賜を取材しました。
大会1週間前、天童・東村山チームは、中学、高校、一般の24人の選手たちが参加し、本番に向けた最終調整を行いました。
天童・東村山中野創也選手「去年より調子はいいが毎年失敗するのが不安になって(練習を)やり過ぎてしまう」
「きょうはやり過ぎなかった?」天童・東村山中野創也選手「後半やり過ぎてしまった」
こう話す中野選手は去年、アンカーを務め、レースは最後まで、南陽・東置賜の佐藤真二選手との接戦になりました。
去年のレース「中野創也と佐藤真二その差がほとんどありません。今横に並んで天童東村山の中野創也が前に出ました。なんとなんと南陽東置賜の佐藤真二が再び先頭を行く中野創也を交わしました」
天童・東村山中野創也選手「永遠に続くんじゃないかとめちゃくちゃきつくて心は何度も折れかけたけど1日目(4位)2日目(2位)3日目どれも取らないで総合優勝はかっこ悪い」
去年のレース「先頭に見えたのは天童東村山の中野創也。残りは50メートル南陽東置賜の佐藤真二も直線に入ってきましたがいまゴールイン」
天童・東村山は3日目を制し、チームとして実に56年ぶりとなる総合優勝をつかみました。
その天童・東村山が初優勝したのは、今からさかのぼること58年前。1967年の大会でした。翌年には、完全優勝で2連覇を達成。黄金時代を築きました。
当時の立役者のひとりが、植松憲一さん(78)です。高校2年の時から10年間、県縦断駅伝に出場し、連覇を成し遂げた年は初日のアンカーを務めました。
植松憲一さん「ものすごい人だかりで人をかき分けながらゴールしたような感じで感激した。完全優勝の時はチームが湧きたった。ニュースカーに乗せてもらい大変な歓迎ぶりで懐かしい思い出」
植松さんは現在、天童・東村山のOB会の会長で、毎年、3日間応援に駆け付けます。
植松憲一さん「横断幕を持って行って陣取り3日間応援に集中する」
「去年のゴールの瞬間は?」植松憲一さん「ゴールの近くで見ていた。抜きつ抜かれつの大接戦ハラハラどきどきだったが感動だった。選手の層も去年より厚くなっていると思うし2連覇を期待したい」
今度は、OBたちが成し遂げた連覇に挑む天童・東村山。
天童・東村山 中野創也選手「選手兼コーチの日野裕也選手です。今の状態はどうでしょうか」
天童・東村山11回出場 日野裕也選手「もうばっちりなのであとは縦断駅伝を待つだけ」
天童・東村山 中野創也選手「期待しています。エースの舩田圭吾選手です。与えられた区間での役割は」
天童・東村山去年区間賞 舩田圭吾選手「区間賞を狙って次の区間に余裕を持たせられるような走りをしたい」
天童・東村山 中野創也選手「去年の縦断駅伝が終わってから連覇という目標を掲げている。簡単ではないけど天童・東村山として総合力で戦い連覇へのチャレンジャーとして臨みたい」
12連覇が懸かった去年の大会で天童・東村山にまさかの敗北となった南陽・東置賜。
ことしも去年とほぼ同じメンバー。悔しさを胸に王座奪還を目指します。
南陽東置賜 中川敦史 監督「チームの状態が最高にいい。チームの目標は総合優勝取り返します」
チーム優勝の鍵を握る選手は、ことし13回目の大会出場となるベテランの大谷克選手(36)です。
南陽東置賜 大谷克 選手「チームの士気も高まってきている。しっかりリズムを意識しながら本番まで調整したい」
大谷選手はこれまで、毎年のようになぜか大会直前に体調不良などのアクシデントが起こってしまい力を発揮できていない年が続いています。
南陽東置賜 大谷克 選手「毎年チームに迷惑かけているのでことしこそはという感じ。でも今年は練習を積めているので残り1週間慎重に慎重に、練習をしていくことだけしか考えてない」
大会直前に力が入りすぎて裏目に出てしまう大谷選手。ことしこそは万全な出場をと大会に向かう大谷選手を家族も応援しています。
息子・悠凜くん(3)走ってるパパどう?「かっこいい」
息子・夢翔くん(6)「僕も駅伝走るの。パパからたすきもらうの」
南陽東置賜大谷克 選手「じゃあパパまだまだ頑張らないと。45歳(夢翔くんが中学生)まで頑張らないとな」
「1人では勝てないのが駅伝。個々で目標にしているタイムを達成できれば、自ずと総合優勝という結果が出てくる。私もチームの為に走っていきたい」
一方、今回の大会、人一倍特別な思いを抱き続けている選手もいます。
去年の大会「前に出た、交わした最後の直線残り800メートルで天童東村山の中野創也が南陽東置賜の佐藤真二の前に出ました」
去年アンカーを務めた佐藤真二選手(33)。天童・東村山の中野選手とのデットヒートの末、目の前で総合優勝を決められました。
南陽東置賜 佐藤真二 選手「去年12連覇がかかっているレースで気持ち的にも焦った部分もあった、力不足を痛感した。その悔しい思いから毎日中野選手の背中を見続けている」
その悔しさは絶対に忘れないー。佐藤選手は去年の大会後からスマートフォンの待ち受け画面を中野選手にして自分を鼓舞してきました。
南陽東置賜 佐藤真二 選手「中野くんがゴールでガッツポーズしているところ。これを一年間見つめていた。ことしは逆に」
1年間、チーム全員が誓い続けてきた「王座奪還」。本番ですべてをぶつけます。
3日間にわたって全長286.8キロを走り抜ける県縦断駅伝競走大会は、27日午前8時20分に遊佐町の月光橋をスタートします。ことしは、去年の大雨災害の影響で区間が1つ減ります。
戸沢村の国道47号の一部区間で片側交互通行が続いているため、庄内町の狩川から戸沢村の古口までの8区はレースが行われません。7区のゴール地点となる庄内町の立川小学校でレースを中断し、9区のスタート地点となる古口除雪ステーションで一斉に再スタートする予定です。