4分の1が「町外に移住したい」町民アンケートで“衝撃の結果” 山梨・身延町
人口減少に頭を悩ませている身延町の議会が、町の住みやすさを尋ねる町民アンケートを行ったところ、「町外に移住したい」との回答が4分の1近くに上るなど極めて厳しい結果となりました。
山梨県南部に位置する身延町。人口は2008年には1万5000人を上回っていましたが、現在は1万人を割り込んでいます。
「町の住みやすさアンケート」は歯止めのかからない人口減少の原因を探ろうと、身延町議会の教育厚生委員会が今年8~9月にインターネットで実施しました。
アンケートには542件の回答があり、「身延町に住み続けたいか」との問いに対しては「町外に移りたい」「どちらかといえば町外に移りたい」との答えが計23.4%に上りました。
理由としては「交通が不便である」こと。次いで「医療・介護が不安」、「娯楽などの遊び場が少ない」、「老後の生活が不安」などをあげています。
回答者は若い世代が多いものの、内訳をみると60代より上の世代も同じ傾向を示しています。
また、回答者の半分は町に住みやすさを感じている一方、4割の人が住みにくいと感じていました。
中部横断道の開通が町に住む理由になっている一方で、マイナス面では「買い物する場所がない」、「働きたい場所がない」、「通学距離が長い」など、人の活動範囲が限られる中山間地特有の課題も大きいといいます。
身延町議会教育厚生委員会 田中一泰 町議
「仕事の場や教育の環境などが足りていないと感じていた。アンケート結果を見てもそんなところが問題点と指摘されている」
今年、2004年の合併以来初めて人口が1万人を割り込んだ身延町。議会も危機感を抱いています。
身延町議会教育厚生委員会 田中一泰 町議
「交通の便が十分でない地域が広いので、(町)全体をカバーする循環する形になっていない不便さを特に高齢者や車を持っていない人たちは感じていると思う」
町議会教育厚生委員会はアンケート結果を検証し、議員発の政策提案や立案に反映したいとしています。