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ネット注文では「抽選」も…備蓄米放出もコメが高い! 農家は「ほぼ赤字」政府は入札条件の緩和を検討

2025年5月9日 18:31

(中谷しのぶキャスター)
 おととい(7日)発表された、全国のスーパーのコメ5キロ当たりの平均価格は4233円と、17週連続で最高値を更新しています。

 高値が更新し続けている背景には、流通の「目詰まり」が指摘されています。

 備蓄米は、国からJAなど集荷業者に行き渡ります。4月13日時点では約65%です。
 そこから卸売りに約9%、小売業者には1.4%と。なかなか行き渡っていない。そこには、精米機不足やコメ袋の不足、値崩れを危惧して発注を控えているんじゃないか、といった課題が浮き彫りになっています。

 こういった動きも出ています。備蓄米の入札条件ですが、これまでは玄米を年間5000トン以上仕入れる業者、原則売り渡しから1年以内に政府が買い戻すという条件をもとに、備蓄米の入札先を決めていました。
 これについて江藤農水相は、きょう、「1年にはこだわらない」という認識を改めて示しました。

 これまでの入札条件では、農家から安定的にコメを仕入れられるJAなど大手に備蓄米が放出されてしまうという課題もあるので、「1年にはこだわらない」。
 つまり「流通販路の拡大」、そして買い戻しを見据えて手元に抱えている在庫のコメを業者が放出できるように、改めて発言したということです。

 (横須賀ゆきの解説委員)
 鳥取のコメ農家に話を聞きました。
 元々どれだけ穫れるかという作況指数から、政府は、ちょっと多く見積もっているところがある。
 大体、現場で作られている農家の方は、その1割減ぐらい。なぜかというと、猛暑の影響を受けたり、去年はカメムシの影響も受けて、毎年、虫や暑さの影響を受け続けています。
 暑さに耐えられるコメは、まだ20%程度しか流通できていないんです。もしかしたら夏以降も、コメの価格が上がり続ける可能性があるので、政府は本腰を入れて抜本的に流通対策をしてほしいと思います。

最終更新日:2025年5月9日 18:31