夏でなくとも“蚊”に注意!温暖化で5月・6月にも発生 海外では殺虫剤効かない「スーパー耐性蚊」も

5月最後の土曜日、大阪府内に住む記者(41)が、自宅のガレージで息子と洗車をしていた時、ある事に驚いた。
車のドアを拭いていた息子の背中に“蚊”がとまっていた。それも3匹。
よく見ると、周りにはさらに別の2匹が息子を狙っていた。
蚊といえば“夏の虫”というイメージ。
「自分が子どものときは、5月に蚊なんて見なかったけどな」そう思って妻に聞いたところ、「5月になんていなかった」との答えが。
なぜ、こんなに早くに蚊が姿を現すのか?
蚊の“謎”を知るべく取材を開始した。
蚊の活動には季節よりも気温が影響
まずは、殺虫剤メーカーのホームページを検索。
フマキラーのサイトで答えを見つけた。
(フマキラーのHPより)
「地球温暖化や猛暑なども影響し、今や蚊を警戒する時期は夏だけではありません。ゴールデンウィークなどの大型連休の前後や、9~10月頃も蚊には十分注意が必要です」
蚊の活動時期は、季節よりも気温が大きく関係するという。
種類にもよるが、約20~30℃の気温を好むといい、暖かい気候であれば季節を問わず活動するのだ。
息子に蚊が群がった時、確かに少々暑さを感じるような気温だった。蚊の好む温度帯だったのだろう。
記者が子どもの頃は、5月はこんなに暑くなかったと思う。
(フマキラーのHPより)
「温暖化の影響などもあり、蚊が過ごしやすいと感じる季節も少しずつ変わってきています」
この記載に妙に納得させられた。
また、そもそも蚊は、ビルなどの屋内や温暖な地下で活動するため、冬眠もせず通年で活動する種類もあるという。
では、どう対策をしていけばよいのか?
メーカー各社は、「蚊は水のあるところに卵を産みつけるので、水がたまっているところをなくすことで、蚊の発生を減らすことができます」と呼びかけている。
確かに記者の自宅の目の前には、排水溝に水たまりがある。
「ここが発生源か…」そう思わざるを得ない状況で、殺虫剤を用いた対策の必要性を感じさせられた。
かゆいだけじゃない 蚊の危険性
蚊は「世界で最も多く人間の命を奪う生き物」とも言われている。
感染症を媒介し、時には命にかかわる重い病気に感染するかもしれないのだ。
厚生労働省などによると、感染した蚊に刺されることにより感染する病気は、世界的にも多く発生し、特に熱帯・亜熱帯地域で広く流行している。
蚊媒介の感染症として、デング熱、チクングニア熱や日本脳炎などがあり、日本においては日本脳炎以外の蚊媒介感染症は海外からの輸入感染症としてみられているが、デング熱に関しては、2014年に国内感染例が報告されている。
かゆみだけが問題ではなく、蚊にまつわるサイトの多くが、夏以外の季節でも対策をよびかけている。
殺虫剤が効かない蚊も
今年2月、国立感染症研究所などのチームは、“殺虫剤が効かない蚊”が増えていることを発表し、「スーパー耐性蚊」の存在を明らかにした。
「ネッタイシマカ」という種類の蚊をベトナムやカンボジアで採集して調べたところ、世界中の家屋で使われている標準的な殺虫剤・ピレスロイド系殺虫剤に、著しく強い耐性を持つスーパー耐性蚊がいることがわかったのだ。遺伝子の突然変異が要因だとみられている。
アジアから世界中に拡散すれば、デング熱のコントロールにとって大きな脅威となりうるというのだ。
日本では、現在はネッタイシマカの生息は認められないとしているが、「気候変動(温暖化)の影響で国内でも生息可能地域が広がりつつあり、定着が危惧されている」と指摘している。
メーカーも対応を取っていて、殺虫剤への抵抗力が日本の蚊よりはるかに強い種への研究を進めている。
まずは基本的な対策を
フマキラーによると、蚊は人間が吐き出す「二酸化炭素」や「体温」、「汗や足の臭い」、「身に着けている服装の色(特に黒)」などにひきつけられるという。
長袖・長ズボンで、できるだけ肌の露出をおさえ、肌に密着したものだと服の上からでも刺されてしまうので、ゆったりとしたシルエットの服がおすすめとのこと。
「たかが蚊」ではなく、市販の殺虫剤などを使いながら、まずは家庭でできる対策を“夏”以外にもやっていく必要がある。