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「犯罪の故意がない、従って無罪」元検事正“性的暴行”一転し無罪主張 女性「どこまで愚弄すれば…」「長期の実刑を求める」

2024年12月10日 17:49
「犯罪の故意がない、従って無罪」元検事正“性的暴行”一転し無罪主張 女性「どこまで愚弄すれば…」「長期の実刑を求める」

 元大阪地検検事正の男が部下の女性検事に性的暴行を加えた罪に問われている裁判をめぐり、元検事正の弁護側が10日、一転して無罪を主張する方針を明らかにしました。

 突然の方針転換でした。

 北川被告の主任弁護人・中村和洋弁護士
「(元大阪地検トップの)北川さん(被告)には事件当時、Aさん(被害者)が抗拒(抵抗)不能という認識はなく、Aさんの同意があったと思っていたため、犯罪の故意がありません。したがって無罪ということになります」

 被告の弁護人が明らかにしたのは、裁判での供述を一転し、無罪を主張する方針でした。

 大阪地検のトップだった元検事正で、弁護士の北川健太郎被告(65)は、検事正在任中の2018年、酒に酔った当時の部下の女性検事に性的暴行を加えた準強制性交の罪に問われています。

 北川健太郎被告(吹き替え)
「公訴事実を認め、争うことはしません」

 今年10月に始まった裁判で、北川被告は起訴内容を認めて謝罪。検察側は北川被告が事件当日、懇親会で泥酔した女性を官舎へと連れていき、犯行に及んだと指摘していました。

 さらに、女性が初公判後の会見で明らかにしたのは、北川被告の口封じともとれる言動でした。「事件を表沙汰にすると、マスコミに検察庁がたたかれて組織が立ち行かなくなる」と伝えられたといいます。

 性被害を訴える女性検事
「被害を受けてから約6年間本当にずっと苦しんできました。なぜもっと早く罪を認めてくれなかったのか。もっと早く罪を認めてくれていたら、もっと私は早く被害申告をできて、この経験を過去のものと捉えることができて、新しい人生を踏み出すことができた」

 ところがこの日開かれる予定だった2回目の公判が中止に。非公開の協議で、弁護人が無罪に転じることを伝えたということです。

 北川被告の主任弁護人・中村和洋弁護士
「(当初の主張は)検察庁に、これ以上の迷惑をかけたくないということにありました。(初公判後の)検察庁への組織批判により、北川さん(被告)は方針が間違っていたのではと悩み、自らの記憶と認識に従い、(無罪を)主張することにしました」

 会見の後、女性側はコメントを発表。

 (性被害を訴える女性検事のコメント)
「被告は私をどこまで愚弄し、なぶり殺しにすれば気が済むのでしょう。無反省で無神経な言動に見合った長期の実刑を求めます」

 今後、改めて争点の整理などが行われる予定で、次回の公判はまだ決まっていません。

最終更新日:2024年12月10日 17:49