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【速報】14時間超の手錠は『違法な拘束』 ペルー人男性「入管職員のせいで骨折」訴え 国に賠償命令 大阪地裁

2025年4月16日 13:17
【速報】14時間超の手錠は『違法な拘束』 ペルー人男性「入管職員のせいで骨折」訴え 国に賠償命令 大阪地裁
両手を拘束されたブルゴス・フジイさん(弁護団提供)

 大阪出入国在留管理局に収容されていたペルー国籍の男性が、職員に押さえつけられるなどし骨折したと訴え国に対し、216万円の損害賠償を求めていた裁判で、大阪地裁は16日、男性の訴えを一部認め、国に賠償として11万円を支払うよう命じました。

 ペルー国籍のブルゴス・フジイさんは2017年、不法滞在で大阪出入国在留管理局に収容されていました。その際、食事に対する不満を訴えたところ、複数の職員に押さえつけられたうえ、後ろ手で手錠をかけられたまま14時間以上にわたり拘束されたということです。

 フジイさんはその後、腕を骨折していたことが分かり、「違法な公権力の行使だ」などと訴え、国に賠償を求めていました。フジイさんは裁判の途中に病死したため、内縁の妻が裁判を引き継いでいました。

 裁判では、フジイさん側が求めていた施設内の監視カメラの映像が証拠として採用・公開され、当時の詳しい状況が明らかになっていました。

 16日の判決で大阪地裁は、骨折については、職員が腕をつかんだことが原因でフジイさんが「負傷したという事実を認めることはできない」と、フジイさん側の主張を認めませんでした。また職員がフジイさんをうつ伏せにし、左腕を掴んだ『保持』についても「不必要で過剰なものであったとは認めることができない」と判断しました。

 その上で、手錠使用については、「使用要領は、連続8時間を超えて使用する場合に所長の承認を受けなければならないと定めているところ、14時間以上が経過するまで行われたもので、手錠の使用を継続させるほどの状況にあるか否かについて慎重な判断自体がなされていない」と判断。「違法な身体拘束にあたる」として、原告の訴えを一部認め、国に対し慰謝料として11万円を支払うよう命じました。

 大阪出入国在留管理局は判決を受けて「判決の内容を精査し、上級庁である出入国在留管理庁および関係機関等と今後の対応について協議していきます」とコメントを出しました。

 一方、弁護団は、判決後会見を開き「国側の人権侵害を認めたことで一定評価できるが、骨折について因果関係がはっきりしないとして認められなかったことは残念」と述べ、今後控訴する方向で検討しているということです。

最終更新日:2025年4月16日 15:36