【速報】胃カメラをしながら「膵がん」早期の発見が可能に 5年生存率は約10%“治療難しい”膵がん細胞の検出方法を開発「膵がん克服に向けた第一歩」大阪大学などの研究グループ
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大阪大学の谷内田真一教授らの研究グループは、26日午後に記者会見を行い、胃カメラをしながら膵がんを早期発見できる検査方法を世界で初めて開発したと発表しました。
膵がんは国内に約4万6000人の患者がいますが、5年生存率は約10%で、早期発見が難しいことから、診断時にはすでに他の臓器などに転移していることが多く、「治療が難しいがん」とされてきました。
谷内田教授らの研究グループによりますと、全国の10施設と協力して、健康な人と膵がん患者を対象に、胃カメラを介して、膵液の分泌を促すホルモンを静脈に投与した上で、通常の胃がん検査でも観察する十二指腸の乳頭部から分泌された膵液を回収しました。
その結果、回収された膵液の中から膵がん細胞が有する「KRAS遺伝子変異」を高頻度に検出できたということです。既存の検査では「KRAS遺伝子変異」は全身に転移した膵がん患者でしか検出できず、早期発見への応用は難しいとされてきました。
今回開発された方法であれば、通常の胃カメラの検査に1~2分追加するだけで実施することができ、身体への負担も少なく、胃がん検診の際に膵がんの検査を追加することで、早期発見・早期治療が期待されるということです。
谷内田教授は会見で、「今回の開発は膵がんの克服に向けた大きな一歩。膵がんを難治性がんと呼ばれないようにするのが夢だ。このような検査が日本全国に広がれば」と語りました。
研究成果は、米外科学会誌「Annals of Surgery」のオンライン版に掲載されたということです。