「兵庫県をもっとよくしていきたい」「自ら信を問いたい」　斎藤知事が失職し“出直し選挙”出馬を表明

　不信任決議案の可決・成立から1週間が経ち、自らの進退について、「失職」を選び、出直し選挙に臨む意向を示した斎藤元彦知事。26日の会見で語ったこととは…。

　斎藤元彦 知事
「きょう決断をさせていただきました。結論から言いますと、今回の不信任決議案を受けて議会の解散はせず、30日付で失職をする。そして次期、知事選において出直し選挙に臨ませていただくことを決めました」

　斎藤知事が選んだのは「失職」でした。
　
　斎藤知事
「私はやはり、知事の仕事をまだまだ続けさせていただきたい。この兵庫県が大好きです」

　1週間前、全会一致で可決した知事への不信任決議案。都道府県議会での知事への不信任案の可決は、これで5例目となりました。

　斎藤知事（9月19日）
「これは大変重い議会側の選択です。私にとっても重い状況を示されたということなので、しっかりと考えることが大事だと思います」

　知事は、9月29日までの10日間で、議会を解散するか、辞職か、もしくは解散も辞職もせず失職するかの選択を迫られていました。

　「辞職」もしくは「失職」を選べば、50日以内に知事選挙が実施されますが、知事が出馬し再当選した場合、「辞職」だと来年7月末まで、「失職」だと新たに4年間の任期を務めることになります。

　「失職」を選んだ知事。決断を下す前には、読売テレビを含む複数のメディアに出演していました。

　Q:（出演は）出直し選挙を意識したものではない？（9月24日）
　
　斎藤知事
「そういったことというよりも、自分自身の思いや考えを、県民の皆さんからももっと知事が自分の言葉で自分の思いを県民に説明すべきだという指摘もいただいています。世間的にはもしかしたらメンタルがすごく強いって言われてるかもしれないですけど、『鋼のメンタル』って言われてる面もあるみたいですけど、自分自身は今朝も苦しい胸の内もあったりとか、やっぱり人間ですから、思い悩むことも多々これまでもありましたので」

　3年前の知事選で斎藤氏を推薦した維新の吉村共同代表は――。

　日本維新の会・吉村洋文 共同代表
「知事自らが告発者捜しをし、告発者“つぶし”をするのは、知事としての権限執行としては間違っている。謝罪すべきだという話を（斎藤知事と）しました。（斎藤知事の）記者会見を僕も注視したい」

　出直し選挙に臨む意向を示している斎藤知事。自らにかけられた疑惑の追及について、今後どのように対応しようとしているのか。会見で語ったこととは…。

　斎藤知事
「道義的責任は日本の社会だと責任を取ってまず辞めるということになる。仕事をしていくというのも責任の果たし方だと思っています」

　不信任決議案の可決から1週間。「失職」を選択した真意について語りました。

　斎藤知事
「議会の解散は、私の中では最初からなかった。今回の問題は私のこれまでの対応がおかしいということなので、私が自ら信を問うことが大事だと思っています」

　Q:「出直し選挙」なぜ出馬？

　斎藤知事
「兵庫県が好き。兵庫県をもっとよくしていきたい。知事としてこれからも頑張っていきたいという思いがあるからです」

　Q:この状況で県政を担えるか？

　斎藤知事
「私自身は今回の問題をうけて自分自身、やはり少し、県政を3年間やっていく中で、心の中におごりであったり慢心があったと思う。それが言動であったりとかにつながったと思うので、こういったことを二度としないというのを改めて心に期するものがあります。もしもう一度、知事をさせていただくのであれば、職員の皆さんとの接し方、議員の思いをもっともっと聞いていくことをしないといけない」

　Q:政党などから支援は？

　斎藤知事
「私は組織もないですし、大きな政党のような組織がバックにいるわけでもなく無所属なので、政党の力を借りるのは難しいかなと思う。推薦とか。今回、私は一人でおそらくやっていくことになりますので、できるのかという指摘もあるかも知れませんが、自分としてはやりたいという思いです」

　そして、元幹部職員が作成した告発文書に端を発する斎藤知事の“パワハラ”疑惑などの調査が、百条委員会で続く中…

　斎藤知事
「百条委員会とか第三者機関で文書問題について調査をやって事実を解明して改めていくことは大事だと思うんですけど、果たしてそれが、知事が職を辞するべきことなのかということが根底にあるのが正直なところ。たしかに机をたたいたり、付箋を投げたのはよくない行為で、当然やってはダメですし、しっかり反省しないといけないですが、3年前に大きな負託を受けて知事にならせていただいた中で、職を辞するというのはかなり重大なことですので、私はそこはやはり不信任決議を可決いただいたのは議会の判断ではありますが、本当にそこまでいかないといけなかったのかという思いは正直あります」