【独自解説】拘束された“北朝鮮兵”の“尋問”映像から見えた派兵の実態 捕虜になる前に自爆・自決を強要されていた可能性も…「北朝鮮で生け捕りというのは絶対に許されない」今後の情勢を専門家が解説
■捕虜はゼレンスキー大統領にとって取引のための有効カード?「“北朝鮮側に引き渡す用意”がある」
各国メディアによって情報が少し違ってはいますが、韓国の国家情報院によると2024年10月以降、ロシア支援で派兵された“北朝鮮兵”は1万1000人を超えていて、死者は300人超、負傷者は2700人超だといいます。無人機・ドローンなどを使った現代戦への理解不足から、多くの死傷者が出たと分析しています。
さらに戦死した“北朝鮮兵”の所持品から、捕虜にならず自爆・自決するよう北朝鮮当局が命じる内容が見つかりました。また、捕らえられそうになった“北朝鮮兵”は金正恩総書記の名前を叫びながら、手りゅう弾で自爆しようとして、ウクライナ兵に射殺されたという情報も出ています。
そして今後、この捕虜はどうなっていくのでしょうか。ゼレンスキー大統領はSNSで“北朝鮮兵捕虜”について、「ウクライナ軍兵士との交換を条件に“北朝鮮側に引き渡す用意”がある。今後、“北朝鮮兵”の捕虜が増えるのは時間の問題だ」と話しています。
Q.『引き渡す用意がある』としていますが、『交換』するとなると金総書記が派兵したというのを暗に認めることになりますが、『交換』は可能なのでしょうか?
(辺氏)
「ロシアと北朝鮮が公式に認めないかぎりは、この捕虜の引き渡し交換というのは、成立しないです。そうなると、この兵士2人は、宙ぶらりんのまま。そこで、韓国で引き取るという話も持ち上がっています。ただし、ゼレンスキー大統領にとって、これは有効なカードなので、北朝鮮との取引材料に使いたいわけです。実質的には戦争で捕らえたので、そのまま韓国に引き渡していいのかなど、これから色々な駆け引きが行われていくと思います」
一方、帰国を望まない“北朝鮮兵”に対しては、別の選択肢もあります。
(辺氏)
「ウクライナは国際社会の世論を喚起し、支援を得るため“北朝鮮兵”の捕虜らの記者会見も検討するのではないか」
Q.記者会見の可能性はありますか?
(辺氏)
「ゼレンスキー大統領は公にやると公言しています。すでにウクライナで取材をしている外国のメディアを含めて、そう遠くない時期に、記者会見が開かれます。この北朝鮮兵士が、これから多くのことを語っていき、その結果、より詳しい北朝鮮の派兵の実態が見えてくると思います」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年1月15日放送)