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「異例ずくめ」の日米首脳会談…同行記者が見た裏側

2025年2月8日 13:20
「異例ずくめ」の日米首脳会談…同行記者が見た裏側

今回の石破首相のアメリカ出張は1泊3日。しかも、滞在時間が約24時間なのに対し、フライト時間は約25時間という、「滞在」より「移動」の方が長い「弾丸出張」となった。勉強会を繰り返し「対トランプ戦略」を練りに練って臨んだ首脳会談。果たして成功だったのか?失敗だったのか?同行記者が解説する。(日本テレビ政治部官邸キャップ  平本典昭)

■“ほぼ”全面公開…「異例ずくめ」の日米首脳会談

現地時間7日午前11時54分、日米首脳会談がホワイトハウスでスタートした。

トランプ大統領「安倍昭恵夫人から素晴らしい人だと聞いている」

石破首相「大統領選で銃撃された写真は、歴史的な写真になる」

互いに褒め合う挨拶から始まった会談。予定されていた会談時間は「30分間」だった。

普段、日本で取材をしていると会談が30分の場合はメディアに公開されるのは、冒頭の2、3分だけ。しかし、この日両者はカメラの前で話し続けた。

石破首相が「日本の対米投資額は世界一だ」と言えば、トランプ大統領は「投資は素晴らしいが、貿易赤字は解消しなくてはいけない」。続いて石破首相は「いすゞ(自動車)が新たにアメリカで工場を作る」と表明。このあたりで日本側の同席者は「メディアを外に出して」とスタッフにサインを送るが、トランプ大統領はお構いなし。メディアの質問に答える形で、日本への関税は「選択肢としてある」などと踏み込んだ。

トランプ大統領の真横で取材していた私も、「どこまでカメラ前で話すのだろう…」との思いがよぎる。終わってみれば、メディアに公開された時間は「20分」を超えた。首脳会談の大半が“メディア公開”となる「異例中の異例」の首脳会談となった。

ある外務省幹部は「余りにメディア公開の時間が長すぎて、いすゞ(自動車)の話などは本来はカメラが出たあとに話す予定だったが、首相も仕方なくカメラ前での表明になったのだろう」。別の外務省関係者は「カメラがなかなか出ないので、石破首相はクローズの場で話す予定だったネタを仕方なく話さざるを得なかった」と、その「異例さ」を語った。

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