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前澤友作さん「怒ってます」──ネット上のニセ情報、国が対策? ウソの救助要請・治療法も拡散…デマ防止へ「収益化停止」も

2024年7月18日 10:08
前澤友作さん「怒ってます」──ネット上のニセ情報、国が対策? ウソの救助要請・治療法も拡散…デマ防止へ「収益化停止」も

著名人になりすました詐欺広告やウソの救助要請など、ネット上のニセ情報が問題になっています。総務省の有識者会議は、SNS事業者が対策を行うような制度づくりを政府に求める提言案を示しました。どんな措置が想定されているのでしょうか?

■前澤友作さんや泉房穂さんが怒り

藤井貴彦キャスター
「実業家の前澤友作さんが怒りを表し、兵庫・明石市の前市長の泉房穂さんが『許しがたい』と述べた、なりすまし詐欺広告。これらに国として手を打つきっかけとなるのでしょうか」

「総務省の有識者会議は、SNS事業者がネット上のニセ情報対策を行うよう、政府に制度づくりを求める提言案を示しました」

■事業者の自主的な取り組みへの評価は?

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「ニセ情報への対応については、これまではメタやX、グーグルといったSNSなどの事業者の自主的な取り組みに委ねられてきました」

「ただ、有識者会議はこうした9社に聞き取りを行った上で、事業者の対応は『十分とは言えない』『自主的な取り組みのみには期待できない』と指摘。そこで今回の国への提言となりました」

「まず、詐欺広告など違法な情報や、ヘイトスピーチのように人の権利を侵害する情報について。削除などを迅速に行うことや、特に悪質な情報を繰り返し投稿する人に対しては、アカウントの停止・削除などが確実に行われるよう、政府に制度づくりを求めました」

加藤清史郎さん(俳優・『news zero』水曜パートナー)
「SNS上には、僕のなりすましアカウントもあります。見つけては通報して、といういたちごっこになってしまいます。一部被害を受けている立場としては、国として制度をつくるのであれば、どれくらいの効力が期待できるのかは目が離せないなと思います」

■デマ拡散…有害情報への対応にも言及

小栗委員長
「今回の提言案では、違法な情報でなくても社会的な影響が大きい有害な情報についても触れています。例えば能登半島地震の後、『たすけてください』というXの投稿の中には、ウソの救助要請もありました」

「また新型コロナウイルスが流行していた時に『度数の高いアルコールを飲むことでウイルスを死滅させることができる』というウソの治療法も出回りました」

「こうした情報については表現の自由にも配慮する必要があるとして『削除』ではありませんが、お金目的での拡散を防ぐため、『収益化の停止』などの措置を取るべきだと指摘しています。総務省は、提言をもとに法整備などを検討する見通しです」

「ITジャーナリストの高橋暁子さんは、『国が関与しすぎると表現の自由に触れてしまうが、収益化を停止するだけでもデマの拡散が減ることは間違いない』と評価していました」

■「この情報は正しい?」見極める力も

藤井キャスター
「国のこうした制度づくりと並行して、私たち自身が『本当にこの情報は正しいのか』と見極める力も求められていますよね」

小栗委員長
「みずほリサーチ&テクノロジーズが今年1月~3月に行った調査では、『情報の真偽を確かめた経験があるか』を聞いたところ、『調べた』と答えた人は日本は23.6%。4人に1人程度でした。アメリカ(42.2%)やフランス(41.9%)に比べて低い結果でした」

「情報を鵜呑みにしないという心構えも必要かもしれません」

加藤さん
「気軽に『いいね』をしたり拡散できたりするのがSNS自体の良さでもあるのでとても難しいですが、『いいね』や情報の拡散をした先に、その情報を新たに目にする他の人がいるということを忘れてはいけないなと思います」

「『いいね』や拡散をすることで自分も発信する立場になっているという自覚は常に持っていないといけないなと思いました」

(7月17日『news zero』より)