始まりは1人のホストから…女性を性風俗店へと紹介する大規模スカウトグループ摘発“まるで人身売買”その実態とは
女性を性風俗店へと紹介する違法な大規模スカウトグループが摘発され、警視庁生活安全部は16年ぶりに特別捜査本部を設置。“人身売買”に近い実態が明らかになりつつある。
■大規模スカウトグループ「アクセス」摘発…実態は…
2025年1月7日。警視庁は、女性(24)を埼玉・川口市のソープランドに紹介したとして、大規模スカウトグループ「アクセス」リーダーの男(33)を職業安定法違反の疑いで逮捕した。
リーダーの男の逮捕はこれで3回目だ。
男がリーダーをつとめる「アクセス」。組織の構成員であるスカウトを通して数々の女性を性風俗へと紹介し、その見返りとして店からスカウトバック(紹介料)を受け取っている違法なスカウトグループだ。
紹介される女性は、主に悪質なホストクラブで高額な売掛金をつくらされた女性客だったとみられている。
■まるで人身売買“入札式”“ランク付け”で全国の性風俗店へ…
「アクセス」は島根県をのぞく全国46都道府県、約350店舗の性風俗店と提携し、女性を全国へと派遣していたとみられている。
女性を全国にわたるどの性風俗店に紹介するかは「入札式」で決めていたという。
「入札式」とは女性たちの年齢や身長、写真などが記載されたプロフィルを店舗にばらまき、金額を一番高く提示した店に紹介するというものだ。
さらに、女性たちはそれぞれ、最低の「1」ランクから最高の「8」ランクまでにランク付けされていた。
ランクは顔や年齢、体に傷やタトゥーがあるか、さらには「スペック値」と呼ばれる身長から体重をひいた数字などを判断基準として「アクセス」が付けたもので、ランクが高ければ高いほど高級店で働けるシステムになっていたという。
女性をモノのように扱うこの非人道的なシステムについて、捜査幹部は「人身売買とも言える」などと話す。
■全国に根をのばす「アクセス」…手法は“トクリュウ”
「アクセス」の構成員は約300人規模。中には大学生なども含まれているが、構成員は主にSNSで集められ、それぞれが偽名を使い面識もないという。
SNSを使い全国から多くのスカウトが集まることで、大規模なスカウトグループへと成り上がっていったとみられている。
警視庁は、SNSで広がり偽名を使う構図は闇バイトと類似しているとして、匿名・流動型犯罪グループいわゆる「トクリュウ」と認定し捜査を進めている。