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【解説】“住みやすい街”トップ10に異変…まさかの1位に住民もビックリ 大躍進の背景には“ある特徴”が

2022年12月15日 21:24
【解説】“住みやすい街”トップ10に異変…まさかの1位に住民もビックリ 大躍進の背景には“ある特徴”が

15日、「本当に住みやすい街大賞」2023年版が発表されました。ランキング結果は、去年とはガラッと変わりました。

◇“9つ”が新顔
◇住民も驚き
◇カギは“将来性”

以上の3点について詳しくお伝えします。

■実際に“生活する”視点のランキング

15日、発表されたのは、実際にその街で「生活する」という視点で選ばれたランキング、「本当に住みやすい街大賞」です。関東の1都3県を対象に、この1年間で住宅ローンを組んでマイホームを買った人を対象に調査しました。「住環境」、「交通の利便性」、「発展性」、「教育・文化環境」、「コストパフォーマンス」の5つの項目を評価しました。

「本当に住みやすい街大賞」
1位 西八王子(東京・八王子市)
2位 流山おおたかの森(千葉・流山市)
3位 新小岩(東京都葛飾区)
4位 保谷(東京・西東京市)
5位 辻堂(神奈川・藤沢市)
6位 柏(千葉・柏市)
7位 新川崎(神奈川・川崎市) 
8位 川越(埼玉・川越市)
9位 東村山(東京・東村山市)
10位 鶴ヶ峰(神奈川・横浜市)

ランキングを見てみると、10位から6位までには東京の「東村山」、埼玉の「川越」や千葉の「柏」などがランクインしていました。5位は神奈川県の「辻堂」、4位は西東京市の「保谷」、第3位は「新小岩」、そして、第2位は「流山おおたかの森」というランキングです。

この街は、つくばエクスプレスと東武鉄道が通る駅があり、秋葉原まで25分ほどです。2005年の時点では何もなかった駅前は、商業施設やオフィスビルが続々オープンしてマンションも建設ラッシュです。

そして、駅前ビルにある施設「おおたかの森送迎保育ステーション」では、駅から離れた認可保育園にバスで送迎してくれるなど、市が子育て支援に力を入れているといいます。

■1位なのに…住人は「50位くらい?」

1位は「西八王子」です。西八王子も初のトップ10入りで、いきなり1位になったという、まさに“大躍進”ですが、どんな街なのでしょうか。

西八王子は、JR中央線で八王子駅の隣の駅です。駅ビルのほかに、スーパーや商店街など生活に必要な施設がそろっていることに加えて、利便性の高い都会的な八王子と、自然豊かな高尾にも近いことも人気の理由です。

実際、住んでいる人からはこのような声も聞かれました。

西八王子に住んで1年
「(「住みやすい街」ランキングの)30番台には入ってほしいなって思います」
「50位以内くらいで」

しかし、ランキング「1位」であることを伝えると――

西八王子に住んで1年
「え…?!いやもう、誇りに思います」
「うれしいです、素直に。何でだろう?」

西八王子に住む人
「すごい!よかったです、立川に勝って、みたいな!」

西八王子に住んで30年
「川崎とか世田谷とか住んではみたんですけど、やはり結局、戻って来ちゃう。“住めば都”じゃないですけど、やっぱり住みやすいですね」

■物件価格が上昇…「穴場探し」進む

実はこのランキング、5位の「辻堂」以外はすべて初めてのトップ10入りです。また、3位の「新小岩」以外はすべて東京23区外ということで、郊外寄りのエリアの人気がうかがえます。

過去のランキングと比べてみると「辻堂」や「川口(埼玉・川口市)」、「大泉学園(東京・練馬区)」がトップ5の常連だったのですが、今年は「辻堂」が5位に辛うじて入っているだけです。顔ぶれがかなり変わっています。

今回の「本当に住みやすい街大賞」選定委員長の櫻井幸雄さんに聞いてみると、「これまでランキング上位だった街の物件の価格がどんどん高くなってしまって、なかなか手が届きにくくなっている実情がある」ということです。なんとか買える範囲で、なるべく駅から近い、いわば「穴場探し」が進んだ結果が、今年のランキングの1つの特徴だということです。

そのほかにも、その街の「発展性」というも重要な要素です。トップ3に選ばれた街はいずれも、将来、新たな施設を開業する予定があります。例えば1位の「西八王子」は、2025年に八王子インターチェンジ付近に、ロボットやAIを駆使して、オンラインでも、来店でも買い物ができる複合商業施設が開業する予定です。

そして2位の「流山おおたかの森」は、流山市で2024年、新たに2つの小学校が開校する予定です。3位の「新小岩」は来年冬に行政サービス施設が入る駅ビルが開業するほか、2029年度には駅南口地区の再開発も予定されていて、今後、住みやすさが上がっていくといったところも重要なポイントのようです。

   ◇

首都圏の不動産価格が高止まりする中、いわゆる憧れの街や住みたい街ランキングとはひと味違う、生活者の視点から見た住みやすい街がいま注目されているようです。

(2022年12月15日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)

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