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マメコバチに異変「特異的な状況」青森県りんご研究所が分析中

2024年5月9日 18:41
マメコバチに異変「特異的な状況」青森県りんご研究所が分析中

りんごの授粉に利用されているマメコバチの異変についてです。りんご研究所は「例年とは違う特異的な状況」と対策を呼びかけています。

平川市のりんご生産者工藤峰之さんは4月下旬にマメコバチの巣およそ100箱を5ヘクタールの畑に設置しました。いつもの年であれば2、3日後にマメコバチが飛び始めると言いますがことしは10日ほどたってもほとんど飛んでいません。

★釈迦のりんご園 工藤峰之さん
「全く見ないです ここ1週間でも5匹、10匹とかそのレベルで、これ古い巣箱ですけど新しい巣箱も全然出ないです」

工藤さんは手が届く範囲の花には人工授粉をしていますが高い場所はマメコバチに任せているため影響を心配しています。

★釈迦のりんご園 工藤峰之さん
「種がちゃんと入らなくなるのでどうしても実の形が悪くなったりそれよりひどいのは(りんごが)受粉しなくて実にならない花も多くなるのではないかと思います」

マメコバチが飛ばない原因は何なのでしょうか?黒石市のりんご研究所で病害虫の研究をしてる石栗さんにお聞きしました。

★りんご研究所病害虫管理部 石栗陽一 総括研究管理員
「マメコバチが巣を作っているアシガヤを割ってみると繭の中に成虫がいるんですけど普通であれば繭を割って出てくるものが出ないでそのまま繭の中で死んでいるという状態です」

実際にマメコバチの巣のアシガヤを割ってみるとハチが出ていない繭がそのまま残っています。繭の中には死んだマメコバチが入っていました。なぜ巣から出る前に死んでしまったのか原因は分かっていません。

★りんご研究所病害虫管理部 石栗陽一 総括研究管理員
「考えられるのは去年の夏は経験したことのないような暑さだったので暑さが何か影響しているかなというような可能性としては考えられますけれどもまだ分析中です」

また天敵のコナダニが寄生している巣もありました。マメコバチによる授粉は青森県が誇るりんご栽培技術の1つで、昭和50年代から行われています。ことしほとんどのハチが死んでしまった園地では来年以降も影響を及ぼす可能性があります。

★りんご研究所病害虫管理部 石栗陽一 総括研究管理員
「園地によってはちゃんと普通通り飛んでいるという所もあるので何かしら管理の違いによって飛ぶ飛ばないの違いが出てきている可能性はあります 繭の中で成虫が死亡しているものについては今のところ原因は分かりませんけれども例年とは違う特異的な状況だと」

研究所はアシガヤを新しくするなど来年に向けての対策を呼びかけています。

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