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社会
2017年6月20日 19:44

選挙も念頭?“豊洲・築地の両立案”とは―

選挙も念頭?“豊洲・築地の両立案”とは―
(c)NNN

 東京・豊洲市場の移転をめぐる問題で、小池知事は20日午後、会見を開き、市場を豊洲に移転した上で、築地にも市場機能を持たせた再開発を行うことなどを表明した。市場移転問題はこれで決着となるのか、今後の影響を含めて解説する。


■豊洲移転問題、これまでの経緯

 小池都知事が、豊洲移転の延期を表明したのは、移転を約2か月後に控えた2016年8月。そして9月、安全対策のため豊洲市場の地下にあるはずの「盛り土」が一部でなかったことが判明。さらに、豊洲市場の地下水から初めて、基準値を超えるベンゼンなどの有害物質が検出されたことが明らかになった。

 こうしたことを受け、豊洲移転をめぐり、3つの会議で議論が続いていた。そのひとつは土壌汚染対策について検討していた「専門家会議」。ここでは、地下空間から有害物質が出てくることを防ぐため、床をコンクリートなどで覆う都の汚染対策について、“妥当”との判断が出た。


■「築地は守る、豊洲は生かす」

 こうした中、3日前には、小池知事は築地市場を訪れ、市場関係者に謝罪をしていた。10秒ほど頭を下げ、移転先の豊洲市場の汚染を“無害化”、つまり環境基準をクリアできていないことを謝罪。そして―

 小池知事「“築地”という東京の宝…」「丹念に育ててきた“築地”」「“築地”というところで育まれるからこそ出てくるブランド力があるじゃないですか」

 このように、「築地」という言葉を10回以上連呼。市場関係者との意見交換で「築地市場ブランド」を生かしていくことを強調していた。そして、豊洲市場に移転する案か、移転を断念して築地市場を再整備する案があることについて、「AかBだけではない」と発言し、豊洲に移転した上で、築地市場を再整備する案を示唆していた。

 こうした経緯があって、20日の会見となったと考えられる。会見では、豊洲は中央卸売市場に加えて、ITを活用した新たな物流拠点にするということ。そして、築地は5年後をメドとして再整備して、食のテーマパーク機能がある東京の一大拠点とする基本方針が発表された。


■選挙見据えた「どっちつかず」との声も

 このタイミングは、都議会議員選挙のことも念頭にあるだろう。小池知事の側近は、来月の都議選を前に「推進派(豊洲移転派)も反対派(築地残留派)もちゃんと味方につけておくんだ」と発言している。しかし都の職員からは、「どっちつかずの小池さんらしい」との冷ややかな声も聞かれる。さらに、自民党の下村都連会長は築地の再整備について、次のように批判している

 下村都連会長「結果的に両方使うことによって、反対する人はなくすという都議会議員選挙がらみの考え方かもしれませんが、かえって無駄なコストが余分にかかる。その税金をどうするのかが問われる」

 小池知事の判断をどう評価するか。今回の小池知事の判断は、都議選の争点のひとつになりそうだ。