副賞は「諫早の公共トイレの掃除道具か何かに使って」諫早市出身の役所広司さんに市民栄誉賞《長崎》
カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した諌早市出身の俳優 役所 広司さんに2日、市民栄誉賞が贈られ多くのファンがつめかけました。
6年ぶりの帰郷だという役所さん。語った、俳優としての夢とは。
(会場)
「役所さんおかえりなさい」
諌早市出身の俳優 役所 広司さん 67歳。ふるさとに帰って来たのは6年ぶりです。
(役所広司さん)
「諫早弁でしゃべるべきか東京弁でしゃべるべきか悩んだが、東京の方が長くなった。ちょっと気取ってきょうは東京弁でしゃべる」
この日、諫早市から贈られた“市民栄誉賞”。
元体操選手の内村航平さんに続いて2人目です。
(役所広司さん)
「世界の体操界のヒーローである内村航平さんがもらわれた素晴らしい名誉ある賞を自分がいただけるとは思っていなかった」
主演した、映画「PERFECT DAYS」は東京・渋谷の公衆トイレの清掃員の姿を通してささやかな日常の幸せや喜びをドキュメンタリータッチに描いた作品で今年5月、世界3大映画祭のひとつフランスのカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞しました。
今回の授与式には市民も参加でき4000人を超える応募があったそうです。
副賞の賞金の授与を辞退したという役所さん。
(役所広司さん)
「お世話になったのは僕の方で皆さんにはすごいエネルギーをもらってここまでやってこれた。ちょうどこのパーフェクトデイズではトイレの清掃員をやっているが諫早の公共トイレの掃除道具か何かに使ってもらえたらうれしい」
副賞の賞金は役所さんの申し出を受け、市では、公衆トイレの清掃道具の購入に使う予定だということです。
トークショーでは、役所さんが「諫早弁」についてのエピソードを話しました。
(諌早市 大久保市長)
「ふるさと諫早はどんなまちですか?」
(役所広司さん)
「一度諫早の友だちと話すと東京の言葉に戻るのに時間がかかる。諫早の言葉には一瞬で戻る。友だちから言わせると『ちょっと古い諫早弁』『今はそれは使わんばい』と言われる」
ふるさとの人々のあたたかさを感じるそうです。
(役所広司さん)
「九州全部そうかな。よかよかですかね。よかよか食べんしゃい。諫早にくるとみんな食べんしゃいと言われる」
今月22日の全国での公開に先駆け、諫早市と長崎市では一足先に試写会が開かれました。
(役所広司さん)
「長崎の皆さんに映画を見てもらおうということで試写会が実現して長崎出身としてありがたい」
映画の製作にはユニクロを運営するファーストリテイリングも携わっていて試写会会には取締役の柳井康治氏も登壇。
日の当たらない職業を役所さんが演じることで注目するきっかけになればと話しました。
(市民)
「誇り。長崎というのを言ってくれるだけでもうれしい」
「役所さんが演じていた(清掃員の)方が自分の人生を充実させていて感動した」
ふるさと諫早で市民、ファンとふれあい思いを通わせた役所さん。
(役所広司さん)
「50年後100年後また見てもらえるような映画に参加したい。それが僕の夢」