福岡市で大売出し『せいもん払い』 一方で物価高もデパートに高級スーパー開店のワケ
物価高が続く中、市民にはうれしい大売り出し『せいもん払い』が福岡市で始まりました。その一方、高級路線で展開する“あのスーパーマーケット”が15日、福岡市にオープンしました。その狙いを取材しました。
■中村安里キャスター
「きょうから『せいもん払い』が始まりました。中には5割引の商品もあり、さっそく買い物客が商品を手に取っています。」
柿が1箱980円、冬物のコートは2000円です。商店街の至る所に『半額』の文字が並んでいます。
■福岡市から(80代)
「毎年来ています。安いですもん。」
福岡市博多区の上川端商店街で行われていたのは、福博の街に冬の訪れを告げる『せいもん払い』です。
145年目を迎えたことしは、福岡市内にある24の商店街や百貨店などで行われています。
■福八木(呉服店)スタッフ
「(Q. どれくらいびっくり価格?)通常と比べると、腰が抜けるくらいびっくり。8割ぐらい(安い商品)もありますね。」
■上川端商店街振興組合・正木研次 理事長
「今、経済とかはすごく厳しい部分があると思うんです。我々もその分、お安く還元してまいりますので喜んでいただけると思います。」
長引く物価高は、家計の重荷となっています。
■50代
「水道、ガスも全部上がってるから困ってます。」
■20代
「卵とか小麦粉が高くなったなと思います。一番安いスーパーを探し回るか、諦めて買うかです。」
こうした声もある中、15日に福岡市・天神の百貨店『岩田屋』にオープンしたのは、高級路線で展開するスーパーマーケットです。
■吉村史織アナウンサー
「こちら、九州に初上陸した紀ノ国屋です。こだわりの質のいいものを置いているということで、開店初日から大勢のお客さんでにぎわっています。」
関東を中心に全国で45店舗を展開する、高級スーパーマーケット『紀ノ国屋』には、全国からよりすぐった商品や東京の工場で製造したスイーツなど、約5800品目がずらりと並んでいます。
■福岡・飯塚市から(50代)
「値段の分おいしいものがあるとか、出荷した時点からきちんとしたものが置いてある、 そんな気がします。」
人気のエコバッグは、全国最大の売り場面積です。
■福岡市から(60代)
「大好きなんですよ。いろいろ何種類か持っていて、だからうれしいです。」
“高級”でも、根強い人気の背景にあるのは“ブランド力”です。
■紀ノ國屋・富田勝己 社長
「少し上質にして少しこだわってというふうにして、お値段は少し高めにはなるかもしれませんけども、そういうこだわりを我々が実現してお届けしたいなと思っております。」
九州初上陸の地として福岡を選んだのには、理由がありました。
■富田 社長
「実は東アジア(進出)というのは考えておりまして、ぜひここで試していただいて(国に)帰って宣伝していただいて、その後に我々が出て行くという、そんな流れをつくりたいなと思っています。」
ブランド力を福岡でも浸透させられるか、『紀ノ国屋』の海外展開を左右する試金石となりそうです。