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熊本市電の全国ICカード廃止 市議会で「軽率」と批判 市長は国の支援などみて最終判断

2024年6月13日 19:19
熊本市電の全国ICカード廃止 市議会で「軽率」と批判 市長は国の支援などみて最終判断

熊本県内では、総額12億円以上という多額の更新費を理由にバスや熊本電鉄での全国交通系ICカードでの決済が年内にも廃止されることが決まっています。

そして熊本市の大西一史市長は5月の定例記者会見で、熊本市電でも2026年春から全国交通系ICカードの決済を廃止する方針を示しています。これについて13日の熊本市議会で、議員から「寝耳に水」という指摘がありました。

13日の熊本市議会一般質問。熊本市電でも全国交通系ICカード決済が廃止される方針を批判する意見が出ました。
■市民連合 吉村健治議員
「市民はもとより、私たち議員も‟寝耳に水”の状態であり、利用者目線を完全に無視したもので、軽率な判断であったと言わざるを得ません」

吉村健治議員は、議会を通さずに会見で廃止の決断を発表したことを批判し、市電において交通系ICカードの利用が半数を占めている現状などから、廃止の再検討を求めました。

これに対し熊本市は、全国交通系ICカードの廃止によるデメリットはあるとした上で、「くまモンのICカード」やクレジットカードのタッチ決済を導入することで、市電とバスとの交通割引や共通定期の発行、商業施設と連携したポイント還元など地域経済と連携したサービスが可能となると強調しました。

大西市長は、“現状”で廃止の方針は変えないものの、先行して廃止を決めたバス事業者などの動向や、更新費の助成についての国の支援のあり方を見極め、最終的な判断をしていくと述べました。
■熊本市 大西一史市長
「今後、国からの支援策や考え方が示されるかについて注視をしていきたいと思いますし、状況変化があってくれば、利用者の利便性を損なわないようなかたちでいろんな選択肢も出てくるかと思う」

今後、方針転換はあるのか熊本市電の更新時期は2年後に迫っています。