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【県内初登場】官民連携型リユース拠点「ジモティースポット静岡」その仕組みや魅力…舞台裏に迫る(静岡)

2025年4月8日 8:39
【県内初登場】官民連携型リユース拠点「ジモティースポット静岡」その仕組みや魅力…舞台裏に迫る(静岡)

新年度が始まり1週間。新生活を始めるにあたり、不要品を処分したり新たな家具や家電などを買いそろえたりした人も多いのでは。

そんな中、最近では、ゴミの減量のために新たな取り組みを始める自治体が。三島市では、まだ使えそうな粗大ごみを、フリマアプリ「メルカリ」で販売していて、2024年1年間の販売数や販売額で全国1位となるなど大きな実績を上げています。

そして、先週、静岡市でも地域情報サイト「ジモティー」と連携して不要品を地域で譲り合う「ジモティースポット静岡」がグランドオープンしました。

(持ち込み客)
「捨てちゃうのちょっともったいないかな。まだ綺麗なんで」

持ち込まれた不要品は店頭に並べられますが、注目はその値段。イスが500円。カラーボックスが300円と、かなり格安ですが、驚くのはこれ。食器が0円。この「フープ」も0円。おもちゃも0円のものが…。

(客)「例えばリサイクルショップと比べても、ずい分お安いですね」

(母親)「欲しかったらいいよ100円だから…」

「every.Life」は静岡県内初登場の官民連携型のリユース拠点「ジモティースポット静岡」。その仕組みや魅力、さらに開店の舞台裏に迫ります。

3月28日、静岡市の西ヶ谷清掃工場に隣接する「しずもーる西ヶ谷」の2階に「ジモティースポット静岡」がプレオープンしました。

正式オープンまでは不要品の引き取りのみですが、開店時間の9時を過ぎると、早速、最初のお客さんがやってきて、家庭で不要となった食器や小型家電などを大量に持ち込みました。

(取材ディレクター)
「すごくたくさん持ち込まれましたね」

(持ち込み客)
「終活も兼ねて…誰かがもしかしたら使ってくれるかなと思って」

捨ててしまうのはもったいない。まだ使える状態の、家具、家電、衣類食器、本、生活雑貨など、様々な物を予約不要で引き取ってもらうことができます。

ただし、リサイクル家電4品目や大人用自転車など、一部持ち込み対象外の物もあり、また、静岡市のゴミ減量を目的としているため、持ち込みは静岡市民に限られます。

そして、あくまでも不要品のリユース促進を目的としているため、どんなに価値があるものでも無料での引き取りになります。

(持ち込み客)
「すごく助かります。何か片付けて捨ててしまおうと思って見たんですけど、綺麗なままのが結構あったものですから、できれば、どなたかに使っていただければね」

(ジモティー 店舗開発リーダー フラーンクス・ナイジェルさん)「予約もいらないですし、査定待ちみたいな時間もいらない。本当に持っていけば、1分2分とかで引き取ってくれるっていうので、その手軽さが皆様すごいメリットとして感じていただいているのかなというところは感じますね」

持ち込まれた不要品は、スマホで画像を撮影し値段も即決。

その商品情報はウェブにも掲載され、どんなものがいくらで売られているか、ジモティーのサイトやアプリでチェックすることができます。

最初はからっぽだった店の棚が、少しずつ商品で埋まっていきました。初日は食器類の持ち込みが多く、0円の物もたくさん…。

そして、この日は、こんな物を持ち込んだ人も。

(持ち込み客)
「もう、私、残りわずかな人生なんで、誰か喜んで、壁でもかけていただいたら、私としてはものすごく大事にしてたので…」

北海道で手に入れて大切にしてきた木彫りの熊。

2000円で販売されることになりました。果たして買い手は現れるのでしょうか?

引き取りのみの3日間のプレオープン期間に、約80組の持ち込みがあり、1300点を超える不要品が店に並べられました。

まだまだ綺麗なランドセルが100円。炊飯器が300円。図鑑など本はどれも100円。折り畳みテーブル500円。食器やおもちゃなど、無料の物もたくさん並べられました。

そして、先週水曜日、ついにグランドオープンを迎えました。入口には開店前から多くのお客さんの姿が。

(静岡市職員)
「はい、どうぞお風呂の人は券売機の方へお願いします」

9時の開店と同時に、待ちわびた人たちが一斉に建物の中へ…掘り出し物を求めて商品棚へと向かいます

(子)
「パパ、これ100円だよ」
(父)
『おお、良かったな」
(子)
「これ買いたい」「これにしよ」
(母)
「欲しかったらね、いいよ100円だから」

値段が安いため、お父さん、お母さんも気が大きくなっているようです。

(ジモティースポット静岡 松浦 紘平さん)
「この端末でQRコード読み取っていただいて」

お目当ての商品を見つけたお客さんは、セルフレジで、会計店のスマホで、商品の2次元コードを読み取っていきます。この辺り、徹底した省力化が図られています。

500円の椅子と300円のぬいぐるみを買った、この親子は…。

(客)
「人にとっては無駄かもしれないけど、再活用できるといいと思いますけど」
(客)
「欲しかったから買えてよかったです」

子どもが3人いるこの家族は、子どものおもちゃや本など計21点を大量購入。

(客)
「0円の物がちょこちょこあって助かるなっていう」
(客)
「虫カゴでカブトムシを入れとくの」
(取材ディレクター)
「Q.いくらだった?」
(客)
「300円」
(客)
「21点ですね。やはり0円がいっぱいあったのがすごかったですね。正直、非常にありがたいですね」

4500円のガスコンロを購入した、この女性は…。

(客)
「魚焼き器を洗って干してたら、私が車でひいちゃったんですよ。これ、結構するんですよね。普通で買うと…ちょうどラッキーです」

そして、あの注目の「木彫りの熊」にも買い手が現れました。

(客)
「削って、色を自分で塗りなおそうと思って、仕事が現代アーティストなので、それで、ちょっとやってみたいなあと…木としても、とても価値があると思うんですけど…」

思い出の「木彫りの熊」が、また新たな作品に生まれ変わりそうです。

店内は、1日中、多くの客でにぎわい、夕方4時の閉店時間を迎えました。

(ジモティー 店舗開発リーダー フラーンクス・ナイジェルさん)
「76件のお会計がありまして、437点のリユース品が、また新たな方の手に渡りました。これはもうすごく、良いスタートだと思います」

さて、こちらは「ジモティスポット静岡」に隣接する「西ヶ谷清掃工場」。

新年度を迎えたばかりとあって、粗大ごみなどがひっきりなしに持ち込まれますが、中にはまだまだ使えそうな物も。

「ジモティー」では、11の自治体と連携して「ジモティースポット」を運営していますが、2024年10月に開設した「ジモティースポット名古屋」では、オープン3か月で約100トンのゴミを減量する効果をあげています。連携する静岡市の担当者も、「ジモティースポット」のゴミ減量効果に期待を寄せています。

(静岡市 ごみ削減推進課 菅野 響さん)
「こちらのまだ使えそうな物たち『ジモティースポット』が、より浸透すれば、皆さん、このゴミではなくリユースする、活用するということで、ゴミを減らすことができるのかなと思っております 」

最終更新日:2025年4月8日 8:39
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