【能登半島地震】発災9日目の被災地には3万人近い避難者が…新たな課題も(静岡県から現地取材)
能登半島地震の発生から、9日で9日目。石川県では死者が200人を超え、地震による被害が直接の死因ではない災害関連死も初めて確認されました。被災地では3万人近い人が避難を続けていますが新たな課題も出てきています。
雪が降り積もるなか、9日も救助活動が続く被災地。石川県ではこれまでに202人が亡くなり、珠洲市では地震による被害が直接の死因ではない災害関連死が6人確認されました。この地震の直後に、輪島市の「輪島朝市」では、大規模な火災が発生し、住宅など約200棟が全焼、国土地理院によりますと、約4万8000平方メートルが消失したとみられています。
石川県警は、午後1時ごろから、火災後、最大規模となる約150人態勢で一斉捜索を行っています。
(捜索を見守る女性)
Q.行方不明の方がいらっしゃる?
「3人か4人います。なにか一つでも見つかればいいなと望みをかけて今ここに来た」
石川県警は今後、必要に応じて捜索態勢の増員も検討しているということです。こうした中、9日、静岡・熱海市では…
(熱海市消防本部 石橋博光 第一陣隊長)
「一刻も早く現場に入って活動したかったが、なかなかたどり着かず、隊員はもどかしい気持ちを持ちながら。今度は自分たちが支援する側、以前の気持ちより強い気持ちで現場に入った」
被災地で救助活動を行った熱海市の消防隊員と給水活動を行った市の職員が、斉藤市長に現地の状況を報告しました。消防隊員は、石川県珠洲市で行方不明者の捜索や救助活動を、また、市の職員は、石川県かほく市で給水活動を行いました。被災地は道路の状態が悪く、現場へ向かうのも困難な状況で、多くの建物が倒壊している中、救助活動を行ったということです。熱海市消防本部では、すでに第三陣の隊員を派遣済みで、今後も要請が続く限り、被災地への派遣を行う方針です。
被災地で避難を余儀なくされている人は、約2万8000人。新たな課題も出てきています。8日、DaiichiーTVの取材班が訪れた石川県輪島市の避難所では…
Q:今これは何をされているんですか?
「消毒、コロナとか出ているから。熱湯消毒」
女性たちがしていたのは食器の消毒作業。約120人が身を寄せているこちらの避難所では、長引く避難生活によって、体調不良を訴える人や、感染症も増えているといいます。
(避難所を統括 喜田 充さん)
「(避難所の)中には101歳の方もいますけど、 たまたまきょう、具合が悪くなって救急車で病院に運ばれました」
「やっぱり気疲れや、緊張したり、狭い空間の中でじっと1週間もおったらね、いろんな面でね、精神的にも肉体的にもだんだん参っている方がおるかなと思いますね」
NNNのカメラは輪島市内の別の集落へ。
(NNN記者)
「輪島市稲屋町の集落です。あたりを見渡してみると、ほとんどの家屋が倒壊してしまっています。さらに、雪が積もった影響で、さらなる倒壊も心配されます」
その中には明かりのともる、1つのビニールハウスが。中に入ってみると…ストーブや毛布を持ち寄り、臨時の避難所として、15人ほどが避難生活をしていました。
(避難してきた人)
「当然、避難所に行った人もいるけど、 避難所の状況を聞いたら、もう山積み、(人が)あふれて満杯で。毛布も足りないし、そういう状況も聞いたので」
先が見えない避難生活。高齢者をはじめ避難者たちの生活支援が喫緊の課題となっています。