是枝裕和監督、坂本龍一さんから「音がとてもいい」 褒められた思い出を明かす
■坂本龍一さんとは手紙と音楽のやりとりのみ
本作は、3月に亡くなった坂本龍一さんが音楽を、映画『花束みたいな恋をした』などで知られる坂元裕二さんが脚本を担当。会見で是枝監督は、「同時代にモノを作っている方々の中で本当に尊敬するお2人との共同作業を実現できたのが、自分の中では本当に大きな経験になりました」と2人に敬意を表しました。
中でも、坂本龍一さんとのやりとりについて、「僕はいただいた音を絵に合わせて送りかえして、それにまた新しい音がついて戻ってくるという。それとお手紙のやりとりという形でしたけれども、貴重な経験をさせていただきました」と、直接言葉を交わさずに行われたことを明かしました。
また、作品の中で印象的な音楽室でホルンを吹くシーンについて、「坂本龍一さんが初めて僕が編集した映像を見たときに、返ってきたお手紙の中でもあの音楽室のシーンに触れられていて、あの音楽室の音がとてもいいから、自分の音楽があの2人の奏でる音を邪魔しないようにしたいと思いますというふうに手紙に書いてくださって、とてもうれしかったのをおぼえています」と振り返りました。
映画は、息子を愛するシングルマザーと、生徒思いの学校教師、無邪気な子どもたちの3つの視点から描かれ、よくある子ども同士のケンカに見えた出来事を通して、“怪物”とは何かを問うヒューマンドラマです。5月にカンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞に輝き、その後もシドニー映画祭やミュンヘン国際映画祭など計42の映画祭での上映が決定(7日現在)。国内では、10月5日までの公開126日間で観客動員数154万人、興行収入21.2億円を突破しています(配給会社発表)。