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男性同士のカップルによる結婚式が多くのハードルを乗り越え実現 2人が愛を誓い合う【徳島】

2024年2月13日 20:00
男性同士のカップルによる結婚式が多くのハードルを乗り越え実現 2人が愛を誓い合う【徳島】


2月11日、男性同士のカップルによる結婚式が、徳島市のホテルで行われました。

多くのハードルを乗り越え実現した結婚式、支援者たちが見守る中で2人が愛を誓い合いました。


■二人の新郎 その出会いは




2月11日、徳島市のホテルで行われた結婚式、新郎の後に入場してきたのも新郎でした。

「未来へつながる結婚式。誓いの言葉」

同性同士の結婚は法律で認められていません。

それでも2人が式を挙げるのにはわけがありました。

式を挙げたのは、徳島市で飲食店を営む長坂航さん(45歳)と秋田直己さん(41歳)です。




二人の出会いは14年前、長坂さんのお店に秋田さんが客としてやってきたのがはじまりでした。

(秋田直己さん)
「(最初は)なんか一緒に付き合ったら、お弁当してあげるよとかいう感じできました」

(長坂航さん)
「14年も前やからね、一緒に住んで13年になるんで」

二人は、恋愛対象が男性同性愛者です。




長坂さんは、同性カップルを公的に認める「パートナーシップ制度」普及のため、「レインボーとくしまの会」を立ち上げ、徳島市のパートナーシップ制度、第1号のカップルになりました。

「二人は、徳島市パートナーシップの宣誓の取り扱いの要綱に基づき、お互いをその人生のパートナーであることを宣誓し、誓いますか?」
「誓います」

(レインボーとくしまの会 長坂航代表)
「まずは公的機関が私たち同性のカップルに対して、家族として認める制度です。あと病院ですかね。私たちは救急のとき、一番困る。病院の時に、家族ではないとのことで面会ができなかったり、手術の同意書が押せなかったり、病状説明が聞けなかったりするので、(パートナーと認められると)そういうことが可能となる」

長坂さんは、これまでパートナーが手術を受ける際、同意書に判を押せないなど悔しい思いをしてきました。

(レインボーとくしまの会 長坂航代表)
「同性カップルは、何年付き合っても、何年家族以上の付き合いをしてても、他人として扱われることが辛かった」

パートナーシップ宣誓制度は、現在、徳島市など県内7つの市と2つの町で導入されていて、2024年4月からは徳島県が制度の運用を始めます。

県の案では対象は、カップルの一方または両方が性的少数者で共に18歳以上、少なくとも一方が県内に住んでいることなどが要件です。

パートナーと宣誓するためには職員が対面で本人確認を行い、必要書類を提出することが条件となります。

2023年、愛媛県の同性カップルが結婚式を挙げたくても式場に断られている現状を聞いた長坂さんは、県内で実績を作ろうと、自ら式を挙げることを決めました。

神前式をしようと神社などをあたりましたが断られることが多く、簡単ではなかったといいます。





(長坂航さん)
「衣装はパートナーがこの色がいいと、本当は黒がよかった」

(秋田直己さん)
「かわいいのがいい」

(長坂航さん)
「やっと結婚式ができるっていうことで、楽しみにしています。ちょっと緊張してますけど」

(秋田直己さん)
「もう感極まって、涙腺崩壊してます」


■二人の行く末は




二人の支援者や友人など約100人の参列者が見まもる中、結婚式が始まりました。

秋田さんは、母親のような親しい間柄の女性と入場しました。

そして、二人による誓いの言葉。

「未来へつながる結婚式。愛に条件はいらない。愛の表現はいろいろでいい。美味しいご飯を作り続けます。感謝の気持ちを忘れません。どんな時も一番の味方でいます。おじいちゃんになっても愛し続けます。私たちはこれからもなんでも二人で話し合い、協力し合って、笑顔あふれる温かい家庭を築いていくことをここに誓います」

「一生、支え合って生きていく」

二人の決意が込められた式でした。

(参列者)
「感動しました。男性同士のパートナーでも、全然私はこんな形もありやなって、改めて思いました」

(参列者)
「今までこういうのに全く縁がなかった。男の子同士っていうのが身近にくると、いろいろと考えさせられるし、それはそれでいいんじゃないかと思う」

(参列者)
「やりたい人はやればいいし、それを法律で縛るのはおかしいなと、逆に思います」





式の後に開かれた披露宴では、参加者がレインボーフラッグを振り2人を温かく迎えました。

苦難を乗り越えてきた2人にも関わらず、いえ、そんな2人だからこそ、披露宴は楽しく、和やかに、大いに盛り上がりました。

披露宴の最後、互いに手紙を読み合いました。

(新郎 秋田直己さん(41))
「何気ない日常のやりとりが僕にとって一番の幸せ。ママと結婚式を挙げることができるなんて夢を見ているようです」

(新郎 長坂航さん(45))
「日本ではまだ、法律上の結婚が認められていないからこそ、今のタイミングですることが、たとえ微力でも社会を変えるきっかけに、若い世代が少しでも生きやすくなる力になりたいという思いで、本日、おっさん同士の結婚式をしました。最後に私たちはこれからもお互いを支え合い、共に人生のパートナーとして歩んでいきたいと思います」

(長坂さんの弟・長坂護さん)
「兄もいろいろ苦労してたし、苦労してた人生を思うと、本当に家族として嬉しく思ってます」



長坂さんは、今後パートナーシップ制度を47都道府県に広げて、国が同性婚を認めるまで頑張りたいと話しています。

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