柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働 県内への経済効果は約4300億円 花角知事「議論の材料のひとつ」《新潟》
東京電力・柏崎刈羽原発の経済効果について、県は24日、試算を発表しました。6、7号機を再稼働した場合、最大で4300億円余りの経済波及効果が見込まれています。花角知事は「再稼働議論の材料のひとつになっていく」とする一方、金額の多い少ないに関して現時点で見解を示しませんでした。
この調査は経済、財政、雇用の3つの観点からこれまでのデータを分析し、県内への経済波及効果や交付金、従業員数を推計しています。
これは、県が1749万円をかけて去年12月から3月にかけて野村総合研究所に委託し調査しました。
その結果がこちらです。
グラフはそれぞれ6、7号機を再稼働した場合と全号機を廃炉にした場合。また、現在のように再稼働でも廃炉でもなく稼働を停止している場合の3パターンについて10年間の経済効果が示されています。
まず、経済波及効果について。
再稼働すれば4396億円、廃炉にすると原発の解体工事費用などから1262億円、稼働停止では2984億円となっています。
内訳として再稼働した場合は安全工事などの地元への発注が1817億円、東電で働く人の支出が620億円、下請けなどへの間接的な効果が1531億円などと試算しています。
税や交付金などによる財政面や年間の県内従業者数といった雇用に関しても再稼働した場合が最も効果が高いという結果になりました。
花角知事は金額の多い少ないに関しての見解は示しませんでしたが…
〈花角知事〉
「こうした数字、こうした調査の結果はこれからの再稼働に関する議論の材料のひとつになっていくと思う」
まちの人はどう受け止めるのでしょうか。
〈柏崎市民〉
「我々に直接メリットっていうのはないかもしれませんけど、市全体として収入が増えればいいんじゃないか。例えば福祉の面でもお金が回ってくるだろうし」
「そういうメリットがあるなら稼働してもいいのかなと思いますけど」
「賛成はできないと思う。こんなに柏崎のまちがさびれるのも、やっぱりお金がないからだと思うから、原発が正常に稼働してなんともなければいいけど、それがなかなか分からないから」
再稼働の可否について県は議論が始まったとしています。花角知事は県民への信の問い方について質問されると―
〈花角知事〉
「なんで、そんなに皆さん急いでいるんですか?」
Q)議論自体が進んでいないということ?
〈花角知事〉
「全然進んでいないじゃないですか。始まったばかりですよ。あと1年もかけて、これから規制委員会の屋内退避に関する運用の議論が進むわけじゃないですか。県の技術委員会もまさに動いている最中ですよ」
花角知事は今週始まった規制委員会の原発事故時の屋内退避に関する議論や、県の技術委員会での柏崎刈羽原発の安全性などの議論の行方も見極める姿勢を示しています。