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【保育士不足】「どこよりもブラック」「仕事の持ち帰りは当たり前」ホンネが爆発!潜在保育士の座談会を緊急開催!“私が現場を離れた理由”

2024年3月1日 20:18
【保育士不足】「どこよりもブラック」「仕事の持ち帰りは当たり前」ホンネが爆発!潜在保育士の座談会を緊急開催!“私が現場を離れた理由”
潜在保育士の座談会を緊急開催
保育士不足解消の鍵を握ると言われる「潜在保育士」。保育士の資格を持っているものの今は保育士の仕事をしていない人たちです。人手不足が加速する中、潜在保育士の確保策を打ち出す自治体も増えています。潜在保育士のみなさんは、なぜ保育の現場を離れたのか?座談会を緊急開催しホンネに迫りました。

保育士は“ブラック”仕事の持ち帰りが当たり前!?

集まってくれたのは、保育士の資格を持ちながら今は保育士として働いていない潜在保育士のみなさん。ベテランの保育士が3人、保育園で働いたことのない人もいます。まずはこの質問から。

(内田直之キャスター)
「保育士という仕事は過酷である。ブラックと言われても致し方ない。〇か×の札をあげてください」

4人全員が○の札を上げブラックだと答えました。

(17年勤務 別職種 潜在保育士30代)
「やっぱり仕事量。絶対、勤務時間内に終わらない仕事がたくさんあります。家に持ち帰るのが当たり前です」

(内田直之キャスター)
「具体的にどういう仕事を持ち帰るんですか?」

(17年勤務 別職種 潜在保育士30代)
「製作物ですね。年長を持ったら卒園までの準備、アルバムづくりとか作品のまとめは、ほぼ家でやりました」

(内田直之キャスター)
「これだけ持ち帰りの仕事が多いのはおかしくないですか?疑問の声をあげられる雰囲気はないですか?」

そうした雰囲気は、なかなかないと答えました。

(14年勤務 別職種 潜在保育士40代)
「ブラックです。働き方改革が進んでいないと思います。どこの企業よりも残業時間が多かったです。どこよりもブラックだと思います。一番遅い時は日付が変わる時まで残ったこともあります。自分を犠牲にして仕事だけしている感じ。夜中も仕事の夢を見て目が覚める状態だったので現場を離れました」

子供を預ける親にも、仕事の大変さが理解されていないと感じることも多いようです。

(20年勤務 別職種 潜在保育士40代)
「先生たち大変ですねという声はよく聞きます。大変ということはわかっていると思うけど。どこが大変だと思いますか?と思います」

(17年勤務後 別職種 潜在保育士30代)
「お遊戯会を見たらすごいですね!で終わる。先生さすが!で終わります。その前を知って欲しい。振り付けも曲も帰りの車で聞きながらテンポが早過ぎる、ゆっくり過ぎるから違うのにしようとか考えたりしてます」

保育士の資格を持ちながら、一度も保育の現場で働いたことがないという男性は。

(福祉施設勤30代 保育の経験なし)
「子供が好きで子供の成長を一番近くで見たいという気持ちで資格を取りました。でも、実習を重ねるうちにその時点で大変さについて聞くことができました。家庭を持った時には家庭の時間が短くなるよと教えてくれた先生がいたので僕の中で保育園で働く選択肢がなくなりました」

後を絶たない保育士の退職“鹿児島市は年間500人”

鹿児島市では2021年度に419人。昨年度は500人の保育士が退職しました。人手不足が加速しています。そんな中、鹿児島市の下鶴市長は待機児童0を公約に掲げ様々な政策を打ち出します。

処遇の改善では、去年7月から常勤は月2万円給与をアップしました。保育士の求人情報を細かく調べ保育士が働く別の職種との差を埋めたそうです。さらに、保育園がアパートなどを借り上げた場合、月5万1000円まで補助する取り組みも行っていて現在、鹿児島市内の39の保育園などがこの制度を活用しています。

潜在保育士の掘り起こしにも力を入れます。待機児童の多い地域で潜在保育士が仕事に就いたら奨励金として10万円、1年間働けばさら10万円支給する制度を設けています。

(内田直之キャスター)
「かなり処遇、待遇は変わってきていると思いますがいかがですか?」

(20年勤務 別職種 潜在保育士40代)
「この改善はいつまで続くの?そこかなと思う。改善しましたと言われてもそれはいつまで続くの?元々の基本給を上げてもらうのが一番かなと思います」

年収は増えた“お金”で解決できない問題も…

厚生労働省の調査によると、おととし6月時点、鹿児島の保育士の平均年収は約407万円。前の年より60万円近く増え大幅に改善されています。

小中学校の教員と比べるとまだまだ低いものの、これは県内全ての職種の平均約397万円を上回る年収です。基本給とは別に支給される国が行う処遇改善の手当などが増えたことが大きく影響しています。

行政の担当者に思うことは?

(福祉施設勤務30代 保育経験なし)
「1回働いてみればと言いたくなるぐらいわかっていないと感じます。お金の部分は大事だと思いますが、その金額が保育士が背負う責任に見合っていないと思います」

年収が上がっても退職者が減らない。
お金では解決できない問題がありそうです。

(14年勤務 別職種 潜在保育士40代)
「やはり女性社会なのでいざこざはある。グループ化はどこの園もある問題。ギスギスしていたり風通しが悪い園はどんどん人がやめていきます」

(17年勤務 別職種 潜在保育士30代)
「陰で悪口。休んでいる職員のことを言ったりするのは聞いたことがあります。しっかり意見を言う男性職員がいればいいけど。女同士の言い合いに入れますか?」

(福祉施設勤務30代 保育経験なし)
「たぶん傍観すると思います。実習の時もだいたい雰囲気がわかりますよね。この先生とこの先生がバチバチなのかな…とか」

“人が集まるの?”鹿児島市の待機児童対策に潜在保育士は…

鹿児島市はこの春、待機児童の解消を目指し保育園や認定こども園など17か所を新たに設置します。結果338人分の受け皿が増えますが潜在保育士からはこんな声が。

(17年勤務 別職種 潜在保育士30代)
「保育園を作って人が来るのか。職員がしっかり集まるのかな?と思います」

(20年勤務 別職種 潜在保育士40代)
「奪い合い。保育士も条件のいい所に移りたいという思いがある。求人を見て移動する人も増えると思います」

(14年勤務 別職種 潜在保育士40代)
「待機児童0を目指すのはすごくいいけど子供は年々減っています。新しい園を作っても結局は入る子供もいなくなるのでは?待機児童0の今の数字を見ても、その先を見ていかないと。目先の数字だけを追っている感じがします」

子どもの成長が何よりもやりがいだと話す4人に最後に質問をしました。

(内田直之キャスター)
「職場環境がもう少し改善されて、働きやすくなったら現場に戻ってもいいという方は○。やはり戻りたくないという方は×の札をあげてください。いかがでしょうか?」

3人は○、1人が×をあげました。

まずは、保育士の仕事をもっと知ろうとすることが大切です。

鹿児島市の担当者は「環境の改善で退職者に歯止めをかけ待機児童0を実現したい」と話していました。

子供が減る中、私たちの税金を投入し鹿児島市が新たにつくる保育園。
どれだけの効果、影響が広がるか。しっかり見ていくことが大切です。
(news every.かごしま 特集ないごて!? 2024年2月29日放送)