“トランプ関税”一部停止を受け英メディア「減税を撤回したトラス元首相を彷彿とさせる」「米中のチキンレースの様相」

アメリカのトランプ大統領が、これまでに発表していた「相互関税」をめぐり、アメリカに報復措置をとっていない国に対しては、90日間、関税措置を停止すると発表したことを受けて、イギリスメディアは、9日、「減税政策を撤回したトラス元首相を彷彿とさせる」などと報じました。
トランプ大統領は9日、これまでに発表した「相互関税」について、アメリカに報復措置をとっていない国に対しては、関税措置を90日間停止し、この期間の税率を10パーセントに引き下げると表明しました。
これを受けて、イギリスのスカイニュースは、9日、減税政策を掲げたことで株価と債券価格の下落など金融市場が混乱し、史上最短で退陣したイギリスのトラス元首相を引き合いに、「減税政策を撤回したトラス元首相を彷彿とさせる」と報じました。
その上で、「株価が下がった場合に債券は上がる傾向があるが、今回は債券も下がった。トランプ氏に譲歩させたのは債券市場だ」「トランプ氏は、譲歩したと認めないだろうが、債券市場に屈服させられた形で、再び以前のように強権的に見えることはないだろう」と分析しています。
一方で、中国への関税を125%に引き上げると表明したことを受けて、イギリスのBBCは、「中国とアメリカは、どちらが先に譲歩するかというチキンレースをしているように見えるが、トランプ大統領は、先に譲歩するのが中国であることを確信しているようだ」と報じています。