【カメリポ】クリスマスケーキは成長のあかし 専門学生たちが挑んだコンテストに密着 福岡
福岡県小郡市の専門学校でパティシエを目指す学生たちが、クリスマスケーキの出来栄えを競うコンテストに挑みました。実習室を舞台に繰り広げられた熱い戦いを、FBSのカメラマンが追いました。
福岡県小郡市にある平岡調理・製菓専門学校では、およそ160人の学生が料理人やパティシエを目指して技術や知識を学んでいます。
この日、製菓衛生師科の2年生は、4日後に控えたコンテストの準備に追われていました。2年生49人がそれぞれクリスマスケーキを作り、その腕を競うコンテストです。1位に選ばれたケーキは翌年、学内のカフェで実際に販売されます。
■工藤萌花さん(20)
「スマホどこやった、私。」
宮崎県出身の工藤萌花さん(20)は、3歳の頃からそばにいる大好きな幼なじみに、自分が作ったケーキを食べてもらいたいと話します。
■工藤さん
「家族に話せないことだったり、その子だとなんでも話せるので、家族以上に大切な存在かなと思っています。このくらい成長したよというのを見てもらいたいと思っています。」
コンテスト当日。
■先生
「では作っていきましょう。お願いします。」
コンテストではケーキの見栄えや味のほか、実際に量産できるかも、総合的に審査されます。
工藤さんのレシピです。りんごのコンポートを仕込んだはちみつのムースに、チョコレートやフルーツをのせて、クリスマスリースのように装飾します。
コンテスト開始から1時間。工藤さんにとっての難関にさしかかりました。
■先生
「垂らす時にこういう帯を作る。ぐーっと1周して、真ん中から残りをバーッとかける。」
■工藤さん
「はい。」
挑むのは、水あめやゼラチンを使った衣でケーキをつややかに仕上げる「グラサージュ」です。ムラなく仕上げるにはとにかくスピードが大事ですが、実は工藤さん、大きなケーキの「グラサージュ」は初めてです。
■工藤さん
「いきます。」
■先生
「そうそうそう。いっぱいかけろ!急げ!はよしろ!急げ!もっと速く!はい、たたく!」
■工藤さん
「たたく?」
■先生
「トントン。」
■工藤さん
「ちょっと失敗してしまったので、そこが悔しいところです。むちゃくちゃドキドキしました。」
残り時間は10分。ケーキの装飾も終盤です。工藤さんは、クリスマスリースの飾りをつなぐホワイトチョコのリングを手にしました。
■友人
「ここら辺にあるんだったら、斜めになりそうやけど。」
リングをのせると球体のチョコがバランスを崩し、ケーキから落ちるリスクが出てきました。
■工藤さん
「危なくない?」
■友人
「うん、やめとこう。」
■工藤さん
「とりあえず、これで完成かなと。思ってたものと全然違うのができちゃっている。」
コンテスト開始からおよそ2時間。思い描いていた装飾にはなりませんでしたが、クリスマスの楽しさを感じさせるケーキが完成しました。
会場には、2年生49人分の個性が詰まったクリスマスケーキが並びます。
工藤さんは49人中、5位でした。
3歳の頃から工藤さんのそばにいる、幼なじみの矢野愛花さん(20)の姿が、ケーキの展示会場にありました。
■矢野愛花さん
「おいしそう。(1年生の頃と比べて)飾り付けが上手になりました。」
■工藤さん
「ちょっと先生に助けてもらった。」
■矢野さん
「すごくうまい。成長を感じます。」
■工藤さん
「(ケーキを)見た時にも幸せになってもらいたいし、食べた時にも、ああ幸せだなと思ってもらえるケーキを作りたいと思っています。」
来年春からは福岡の菓子メーカーに就職する工藤さん。これからはそばにいる人だけでなく、多くの人を笑顔にするケーキを作ります。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年12月20日午後5時すぎ放送