首相、米国で演説 大戦「痛切な反省」表明
アメリカを公式訪問中の安倍首相は29日(日本時間30日未明)、アメリカ議会の上下両院合同会議で日本の首相としては初めてとなる演説を行った。ワシントンから竹内真記者が中継。
安倍首相は約50分にわたる演説を英語で行った。注目の歴史認識については第2次世界大戦への「痛切な反省」を表明した。
安倍首相「戦後の日本は先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻みました」
安倍首相はさらに「自らの行いがアジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない」と述べた上で、歴代首相の歴史認識を継承する考えを示した。ただ、「おわび」など謝罪の表現は使わなかった。
一方で、日米関係を安全保障や経済の分野で強化していく考えを示し、集団的自衛権を限定的に行使できるようにする安全保障法制の関連法案をことし夏までに成立させる方針を明言した。そして演説を次のように締めくくった。
安倍首相「私たちの同盟を『希望の同盟』と呼びましょう。アメリカと日本、力を合わせ世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。『希望の同盟』一緒でならきっとできます」
演説の反応だが、安倍首相に対しスタンディングオベーションが10回起きるなど総じて好意的なようで、演説を聴いた議員は、「非常に感動的だった」「アメリカ国民に歓迎される内容だった」などと述べた。
一方、いわゆる従軍慰安婦だったという女性を演説に招待したマイク・ホンダ議員は、「明確な謝罪ができる機会だったのにそれをしなかった」などと批判した。