放射性物質に汚染の可能性 鉄くずなど無断で持ち出し売却 福島
東京電力福島第一原発の事故による帰還困難区域の解体工事現場で、作業員らが放射性物質に汚染された可能性のある鉄くずなどを、無断で持ち出し、売却していたことがわかりました。
環境省によりますと、ことし4月から6月ごろにかけ、福島県大熊町の帰還困難区域の特定復興再生拠点区域にある大熊町図書館・民俗伝承館の解体工事現場から、工事を担っている下請け企業の作業員らが、鉄くずや銅線などを持ち出し、放射能濃度を測定せずに業者に持ち込み売却していたということです。
本来、解体工事現場から出た廃棄物は、指定の仮置き場で放射能濃度などを測定した上で、1キログラムあたり100ベクレル以下などの基準を満たせば再利用されますが、それ以外は中間貯蔵施設や処分場に搬出されることになっています。
伊藤環境相は「このような事案が発生したことは、誠に遺憾だと思います」と述べた上で、「環境省としては、受注者において適切に工事や仮置き場の管理がなされるように、引き続き、指導、監督をしてまいりたい」と述べました。