地球温暖化で「線状降水帯」増加 気象研究所などが分析
各地で相次ぐ線状降水帯による大雨。地球温暖化によって、発生回数が増加するという研究結果が気象研究所などの分析で明らかになりました。
近年、豪雨災害を引き起こす要因となっている「線状降水帯」について、気象庁気象研究所などの研究チームは、地球温暖化が進んだ場合の発生頻度を、過去の気候データなどを使ってシミュレーションしました。
その結果、工業化以降の世界の平均気温が2℃上昇した場合、線状降水帯の平均的な年間発生回数はこれまでの1.3倍となり、4℃上昇した場合には、1.6倍になるとしています。
さらに、50年に一度の極端な大雨は平均気温が4℃上昇した場合、全国的に増加しますが、1時間降水量でみると、特に北海道で増加率が高くなる傾向がみられるということです。雨の少ない地域のため、水害に結びつく事例が増える可能性があるとしています。
気象研究所の川瀬宏明主任研究官は、「温暖化による線状降水帯の増加がはっきりわかったことは大きな進展だ」としています。