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成年後見人で選挙権喪失は違憲~東京地裁

2013年3月14日 22:49
成年後見人で選挙権喪失は違憲~東京地裁

 知的障害や認知症などで成年後見人をつけた場合、選挙権を失うとしている公職選挙法の規定について、東京地裁は14日、「憲法に違反する」との初めての判決を言い渡した。

 この裁判は、ダウン症の茨城県の名兒耶匠さん(50)が、財産管理をサポートする成年後見人をつけたことで選挙権を奪われたのは不当だとして、国を訴えたもの。

 公職選挙法では、成年後見人をつけると選挙権を失うと定められており、国側は「判断能力が低い人に選挙権を与えると、不適正な投票が行われる可能性がある」などと主張していた。

 しかし、東京地裁は「様々なハンディキャップを負う国民も、主権者であることはいうまでもない」とした上で、「選挙権を奪うことは、選挙の公正を確保するためにやむを得ないとはいえない」などとして、公職選挙法の規定を憲法違反とする初めての判断を示し、名兒耶さんに選挙権があることを確認した。

 裁判長は名児耶さんに「どうぞ、選挙権を行使して社会に参加してください。堂々と胸を張って、いい人生を生きてください」と言葉をかけた。

 名児耶さんは裁判の感想を問われ、「うれしいです」と話していた。